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プロダクトデザインの未来を照らす、革新的なレーザー技術

産業革命が加速した1850年代、それは生活のすべてを一新し、世界最高峰にあった芸術家たちにも影響を与えました。化学の進歩によって多くの絵の具が生み出され、モネやセザンヌ、ピサロといった才能あふれる若いアーティストが、伝統という殻を破り、印象派に見られる斬新な技法やスタイルを取り入れて革命的な画法を生み出しました。

一方、産業革命の流れをくむエンジニアやデザイナーも、いま、その古い慣習を打ち破っています。レーザー焼結法による3Dプリンター、「印字」や「塗装」が可能な3Dマシン、その他のより高度な製造技術(アドバンスト・マニュファクチャリング)ツールを利用して、製造は不可能だと考えられていた部品や製品を製造しており、それは時に芸術の域にも達します。

ニューヨークのミュージアム・オブ・アーツ・アンド・デザインに展示されている
3Dプリンターで製造されたナイム・ジョセフィの「メロニア」ハイヒール
(GEは初代月面歩行用ブーツの素材を作りましたが、靴ビジネスには進出しませんでした。)

直接金属レーザー溶解(DMLM)などの3Dプリンター技術は、レーザー光線を使って細かい金属粉末から成る遊離砥粒を固体化します。逆発想の印象派と言ってもよいかもしれません。GEアビエーションのエンジニア達は、DMLMを次世代LEAPエンジン(「Leading Edge Aviation Propulsion(最先端の航空推進技術)」の略称)の燃料ノズルの製造にすでに利用しています。発電からエネルギー供給、水処理まで手がけるGEパワー&ウォーターは、現在、こうした製造技術の守備範囲をさらに広げようとしています。6月10日には、サウスカロライナ州のグリーンビルで、新しいアドバンスト・マニュファクチャリング・センターの建設を開始しました。

チタンを原料に電子ビーム溶接機で作られたこの格子状の立方体は、骨片に似ています。
「有機的」デザインにより、重さは一般的な立方体の3分の1と
大幅に軽量化されていますが、圧縮強度は変わりません。

アドバンスト・マニュファクチャリングの可能性は絶大です。例えば、GEアビエーションの3Dプリンターで製造したLEAP用燃料ノズルは、従来モデルの5倍の耐久性を誇ります。3Dプリンターの活用により、エンジニアの設計工程もシンプル化され、真鍮溶接の回数は25回から、わずか5回に減りました。

グリーンビルの同センターは、アディティブ・マニュファクチャリング(積層造形)、溶接、接合、高温セラミックスなどの新素材といったテーマに注力する方針です。このセンターの目標は、迅速な試作を容易にし、製品開発を加速させ、発電用の高効率な大型ガスタービンなどの新製品を、より迅速に市場に送り出すことです。

グリーンビルのエンジニアたちはすでに多くの3Dプリンターやパワフルなレーザー機器を試しており、これらの機器では、かつては数時間かかっていた複雑な溶接作業をわずか数分で完了させることができます。

GEはアドバンスト・マニュファクチャリングによって、製品開発サイクルが7割程度加速するとみています。3Dプリンターは、器具設置も一切必要としないため、同センターにおけ開発コストの削減も見込まれます。

一番上の画像と上記写真:回転するガスタービンのコンプレッサー(GEのグリーンビル工場にて)

7,000万米ドル(約71億円)を投じて設立される同センターは2015年後半にオープンする予定で、80人以上の雇用を見込んでいます。GEは今後10年にグリーンビル工場に4億ドル(約405億円)投資する計画で、このセンターはその一環です。

このセンターの設立費用が、モネの名画「睡蓮」1点の落札額に及びそうもないという事実は注目に値します。この相違を、物好きな絵画市場のせいだと考えることもできるでしょう。しかし、強力で斬新なアイデアに与えられる永続的価値は、見過ごされるべきではありません。