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太陽光、風力だけじゃない。月の引力が世界を救う!?

毎日2回、まるで時計のように規則正しく、月の引力は干潮と満潮を引き起こします。GEパワー・コンバージョンの海洋再生可能エネルギー事業の担当マネジャー、ベイカーにとって「潮」は、風力や太陽光よりも予測可能で信頼性のある申し分ないエネルギー源です。「英国には潮の満ち引きによって、水位がかなり大きく変わる場所があるんです。そこは発電の大きな可能性を示しています」とベイカーは言います。

再生可能エネルギー源として、月は太陽と並ぶ可能性も

GEパワー・コンバージョンは、スコットランドのオークニー諸島近郊と、ウェールズのペンブルックシャー州のラムゼイ・サウンドの海底に設置したタービンを使って、潮力タービン発電やその他の深海技術をテストしています。

GEはペントランド海峡の海底に設置する計画で、潮力タービン発電を機数的にも大規模なものへとスケールアップする準備が出来ています。ペントランド海峡は、スコットランド北端とオークニー諸島を隔てる狭い海峡で、潮流の速さは英国有数です(ビデオでその様子をご覧ください)。

穀物を挽くのに「潮力製粉機」を使っていた中世の時代から、人は潮力と波力からエネルギーを生み出す方法を模索し続けてきました。GE IDEAS LABの報告によると、世界初の潮力発電所「ランス潮力発電所」が、フランスのランス川に建設されたのは1960年~1966年のことです。しかし巨額な資本が必要で、且つ、十分な潮流を確保できる場所が限られていたことから、この技術は時代の波に乗ることはできませんでした。

現在はタービン技術のイノベーションや設計技術の向上のおかげでコストは低下を始め、より多くの場所で建設できるようなってきました。それでもなお、この技術は「他の再生可能エネルギーに比べ数十年遅れており、真のクリーンエネルギーとして機能するまでには政府機関による多大な支援やさらなる研究が必要とされるであろう」とGE IDEAS LABは記しています。

オークニー諸島の岩だらけの海岸の潮流の速さは英国有数

米国は最近、17件の潮力および波力エネルギーの実証プロジェクトの開発を承認しました。米国エネルギー省の最新のアセスメントは、潮力による発電量は年間最大1,400テラワット/時におよぶと推計。ちなみに1テラワット/時の電力で、約85,000世帯に余裕を持って電力を供給することが可能です。米国にある波力や潮力をほんの少し利用可能にするだけで、何百万世帯もの米国人に電力を供給できる可能性があるのです。

米国のエネルギー効率・再生可能エネルギー担当次官補のダニエルソン氏は昨年「米国にとって波力および潮力エネルギーは、巨大な未開発資源である。このクリーンな再生可能エネルギー源を、責任を持って開発することが、現政権が取り組んでいるエネルギー戦略全体において重要な要素になる[A1]」と述べています。

英国放送協会(BBC)は最近、スコットランドを「再生可能エネルギー版のサウジアラビアになる可能性」と紹介しました。そこには、ペントランドで実施する5つのプロジェクトだけで、同国の必要電力の約半分、1.9ギカワット相当の電力を供給できる可能性があるのです。

タービンは巨大な航空機のプロペラに似ており、水深180~240フィート(約55~73メートル)地点で、且つ、潮の干満が最も速くなる「海底地形が狭まったポイント」を狙って設置されます。

GEのエンジニアたちは、垂直・水平の両方向の潮流からエネルギーを得ています。またいくつかのチームは、海面に浮かべたブイを利用して、波の上下運動による発電を行っています。しかし、ベイカーはこう語ります。「海面に施設を設置し、維持することの難度は並大抵のものではありません。現に多くの企業が、波力発電システムの設置を試みては暗礁に乗り上げる、という状況に瀕しています」

ベイカーは、潮力発電システムが英国をはじめ、世界各地で立ち上がり始めるだろうと考えています。「潮動のある潟を活かした潮力発電は、英国で間もなく現実のものとなります。潮力発電は公益事業として成り立つ規模の実力を備えています」