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精神疾患治療の謎をDNAで解読

精神疾患は、それを抱えて生きていくのも、治療するのも大変な難しい病気です。症状にぴったり合う薬を見つけるには試行錯誤を繰り返さなければならず、正しい治療法に辿り着くまでに何カ月、何年もかかることもあります。

いま、Assurex Health という企業がそんな状況を変えようとしています。同社が開発した診断ツールは、医師が正しい薬をより早く、より正確に処方するうえで役に立つかもしれません。そのテクノロジーは、患者さん個人の遺伝物質をもとに、さまざまな薬物治療に対する反応を探るというもの。

オハイオ州メイソンに本社を置くAssurex Health社は、ゲノム薬理学と呼ばれる研究分野のパイオニアです。医師はAssurex Healthの検査キットを使って頬の内側の細胞を綿棒で採取し、DNA情報を解析して遺伝子の変異を調べます。遺伝子の変異は、抗うつ剤や抗精神病薬、鎮痛剤、ADHD(注意欠陥多動性障害)の治療薬に対する患者の反応に影響を与える可能性があるからです。

この企業は、シンシナティ小児病院とメイヨークリニックが特許を取ったDNA検査テクノロジーを商品化するために、2006年に設立されました。同社はこのテクノロジーをライセンス販売しています。

シンシナティ・エンクワイヤラー紙の記事によると、Assurex Health社の抗うつ剤・抗精神病薬用検査「GeneSight Psychotropic」を利用すれば、FDA(米国食品医薬品局)の承認を受けた38種類の薬と8つの遺伝子との相互作用を解析することができます。患者さん毎の結果レポートは、785,000パターンにのぼる遺伝子変異と薬の組み合わせを解析し、医師が最適な薬を処方するうえで役立ちます。

処方精度が向上されれば、多くの患者さんの生活が大幅に改善できるかもしれません。アメリカ国立衛生研究所の推計によれば、18歳以上の米国人の約4人に1人(5,700万人以上)は、何らかの病名がつく精神疾患を常に抱えているとか。こうした精神疾患は毎年3,000億ドルあまりの経済損失をもたらしています。米国疾病対策センターは、12歳以上の米国人の11%が抗うつ剤を服用していると発表しています。

GE キャピタルはAssurex Health社の将来性に注目しています。このGEの金融部門は同社製品の臨床導入促進のために、複数社によるAssurex Health社への2,500万ドルの融資で幹事を務めました。GE キャピタルは、この融資は神経精神疾患のオーダーメイド医療という新興市場の発展を後押しするものだと考えています。「ヘルスケア分野の知識と金融分野のノウハウを併せ持つ当社なら、Assurex Health社が成長戦略を実現するために必要な資金調達のお手伝いができます」と語るのは、GEキャピタル・ヘルスケア・フィナンシャル・サービスでライフサイエンス分野を担当するニール・ボナンノです。

Assurex Health社は直近の資金調達では、総計3,200万ドルの資金を集めました。同社を支える投資元には、Sequoia Capital やClaremont Creek Ventures が名を連ねています。

写真:一次知覚性ニューロン(上)、後根神経節(中・下)