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進化し、変化を続けること‐GEの成長に向けた戦略と取組み

「GEは進化し、変化を続けている。勝つための競争をするのがビジネスの基礎だ」
これは、GEのCEOであるジェフ・イメルトが昨年10月に、日経フォーラム世界経営者会議に登壇した際のコメントです。創業から135年以上の歴史のなかで、時代と共に変化し成長を続けてきたGEは、いまも次なる成長に向けた進化と変化の過程にあります。

 現在のGEの進化におけるキーワードは「プレミア・インフラストラクチャー・カンパニー」。もともとGEは発明王エジソンを創始者としており、エジソンのイノベーションのDNAを受け継ぎながら、ビジネスをグローバルに拡大してきました。その過程では金融事業やメディア事業も行う巨大な複合企業へと姿を変え、2000年代後半には金融事業が売上の50%以上を占めるポートフォリオへと変化。そこに訪れたリーマン・ショックの影響、さらには製造業を取り巻く技術革新の波の中で、GEは今一度インフラ分野に重点を置くことを決め、ポートフォリオを再構築してきました。

 まず、金融事業の規模を全体の約30%近くまで縮小しつつ、製造業の経験にもとづく高い付加価値で差別化される金融サービスを提供する専門的で競争力あるチームへと再編。昨年にはNBCユニバーサルを事業譲渡しメディア事業から撤退。その一方で「製造業こそGEが競争優位を築く原動力である」という考え方の下、研究開発費を10年間で倍増させ、2013年には産業分野の売上高の約6%に相当する47億ドルを投じました。こうして2015年にはインフラ事業の利益をGE全体の利益の7割まで引き上げることを目標に、組織を再構築し、世界で最も競争力のある「プレミア・インフラストラクチャー・カンパニー」へと変身しようとしているのです。

 この「プレミア・インフラストラクチャー・カンパニー」を具現化するうえで、戦略的かつ集中的に経営資源を傾けているのが「インダストリアル・インターネット」と「アドバンスト・マニュファクチャリング」。

 「インダストリアル・インターネット」は、産業機器とビッグデータ、そして人を結びつけるオープンでグローバルなネットワークを指します。GEはこれを、産業革命、インターネット革命に次ぐ3つ目の大きな波であり、産業革命とインターネット革命を組み合わせたようなものだと考えています。高度なセンサーを搭載したインテリジェントな産業機器、予測分析ソフトウェアと意思決定をする人々がネットワークによって結び付き、新たな知見を得ることで、顧客企業に生産性向上と経営効率化をもたらすものです。GEの試算では、航空機エンジンの燃料消費や長距離貨物列車の運行システム、火力発電の燃焼効率をわずか1%改善するだけで年間およそ200億ドルの利益を生み出します。こうしたコスト削減は顧客企業の成長、経済活性化や次なる設備投資につながり、ひいては世界的なGDP成長をももたらします。

インダストリアル・インターネットとビッグデータ活用による「1%のパワー」

 この「インダストリアル・インターネット」をいっそう推し進めるため、GEは米国カリフォルニア州にGEソフトウェア・センターを設置し、ソフトウェアやデータ解析技術の開発に投資しています。製造業でありながら、各分野の事業経験で培った専門的知見を活かしてビッグデータを元にした分析を実現する。インフラ企業単体、あるいはIT企業単体では決して成し得ることのできない、GEにしか生み出すことのできない新たな価値を届けることのできる「プレミア・インフラストラクチャー・カンパニー」へと変貌するための投資です。

 一方で「アドバンスト・マニュファクチャリング」は、技術革新による「製造の行い方」そのものの変化を意味します。これまで、多くの製造業企業はコスト低減を追い求め、人件費のより低い地域で生産し利益を確保してきました。しかし、GEはもはや製造にコスト低減を求める時代は終わったと考えます。それに代わる競争力としてGEが考えるのが、3Dプリンターに代表されるような革新的な製造技術や新素材の活用など、新たなテクノロジーを駆使した「アドバンスト・マニュファクチャリング」による新機軸の価値の創造。これはたとえば製品開発のリードタイムを短縮し、イノベーションのスピードや質を高めることを可能にしてくれ、市場優位をもたらしてくれます。

GEが特殊合金を用いて3Dプリンターで製造する次世代航空機エンジン用の燃料噴射装置。
複雑な内部機構ながら溶接加工が不要になり強度も向上している。

 最後に、今GEが全社を挙げて取り組むのが「シンプリフィケーション」というイニシアチブを通した新たな企業文化の構築です。イメルトはこの数年、若いベンチャー企業の経営者たちとの対話を繰り返し、巨大企業でありながらもベンチャー企業並みのスピードで意思決定や計画を実現するためのヒントを探りました。「シンプリフィケーション」は、組織をシンプルにし、意思決定を含むあらゆる業務プロセスを簡素化するもの。そうして顧客と接する時間を拡大し、お客さまの要求に高レベルで応えられる体制を作ることを目指しています。そこでは、「ワークアウト」「シックス・シグマ」など経営改善と競争力強化のためにGEが伝統的に用いてきたツール群に新たに加わった 『FastWorks」も活用されます。これは、米国でベストセラーとなった「リーン・スタートアップ」の著者エリック・リース氏の協力を得て導入指針を策定したもので、完成品を待つのではなく試作段階から顧客に見せてそのフィードバックを取り入れながら改良を重ねることで、製品開発のスピードアップを図る手法。製品開発だけでなく、社内プロジェクトにおいてもこれを取り入れることで、より良い結果をより早期に得ることができます。

競争力強化のためのツールはGEの日々の仕事に根付いており
社員たちはこれを積極的に活用する

巨大企業だからこそ、GEの成長に向けた戦略はシンプルでなければなりません。それを推し進めるのはすべての社員であり、社内のカルチャーも時代に合わせて変化を続けていかなければなりません。競争力を高めお客さまや社会にいっそう価値ある製品やサービスを届けるためいまGEが進める取り組みも、引き続きこの場で具体的にご紹介していきます。