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完全3Dプリンター製!3万3000回転/分を達成した小型ジェットエンジン

一見するとおもちゃのようですが、実はこれも立派なジェットエンジン。ふだんは航空機エンジンの製造技術研究に取り組んでいるGEのエンジニアたちが、3Dプリンターで製作したものです。バックパックほどの大きさながら、3万3000RPMの咆哮を聴かせてくれる「ホンモノ」なんです。

リュックサック大のジェットエンジン

この、リュックサック大のジェットエンジンを製作したのは、米国シンシナティ郊外にあるアディティブ・デベロップメント・センターで働く技術者や機械工、エンジニアたち。彼らはふだん、GEアビエーションの研究チームのひとつとして、アディティブ・マニュファクチャリング・テクノロジー(積層造形/金属粉末を溶かして層状に重ね、複雑な3D構造を作る工法)の開発に取り組んでいます。このエンジンは、テクノロジーのさらなる可能性を試すため、チーム内のサイドプロジェクトとして、数年かけて作り上げたもの。

アディティブ・マニュファクチャリング・テクノロジー

エンジニアのひとりはこう話しています。「アディティブ・マニュファクチャリングによる部品だけで本当に動く小型エンジンを作れるかどうか。確かめたかったんです。そりゃもう、楽しいサイドプロジェクトでしたよ」

アディティブ・マニュファクチャリング・テクノロジー

今回のモデルでは、民間航空機のエンジンの複雑な機構を完全に再現することはできませんでした。そのため、リモコン飛行機用のシンプルなエンジンを設計するプランに変更し、そのパーツを3Dプリンターで製造できるようにカスタマイズしました。こうして完成した、長さ約30センチ・高さ約20センチの小型エンジンは、通常フルスケールのエンジンの試運転で使用するテストセルに取り付けて動作確認が行われました。

レーザーを用いて溶かした金属の薄い層を作り、それを下から積み重ねていく

従来の工法では、大きな素材から削り出してパーツを作るのが一般的でした。これに対して、アディティブ・マニュファクチャリングはレーザーを用いて溶かした金属の薄い層を作り、それを下から積み重ねていくことで製造します。この先進技術を活用することで、原料の廃棄量が減るとともに、より複雑な形状のパーツを正確に製造でき、製品内部での最適な働きを実現します。

このチームは、航空機エンジンの部品製造において、アディティブ・マニュファクチャリングの大きな成果を挙げています。単通路型の商用航空機に搭載される「LEAP」エンジン用の燃料ノズルは、アディティブ・マニュファクチャリングで製造することを前提に設計・開発しました。いまGEは、この燃料ノズルを搭載したLEAPエンジンのテストを行っています。そしてこの4月には「GE90」エンジン用のパーツが、3Dプリンター製パーツとして初めて連邦航空局(FAA)の承認を受けました。

GEアビエーションの広報担当、マット・ベンビーは次のように述べています。「アディティブ・マニュファクチャリングには、メリットがたくさんあります。必要な機械設備が少ないため開発スピードも向上しますし、モデルやアイデアからそのまま部品製作に進むことができます。また、他の加工方法では製作できない形状を作り出すことも、可能ですからね」

この小型ジェットエンジンは現在アディティブ・デベロップメント・センター内に展示しており、見る人を楽しませています。

画像:GEアビエーション