ロゴ

アディティブ製造技術でイノベーションを加速する

―これは、GEリニューアブル・エナジー 社長兼CEO ジェローム・ペクレス本人が記し 、6月12日にLinkedInに投稿した記事の抄訳です―

GEがニューヨークで5月に開催したイベント「Industry In 3D」で、私たちはアディティブ製造技術(付加製造、金属3Dプリンティング)に関する弊社のビジョンをお話しし、世界中の企業に対してどのように付加価値を提供するかについて説明しました。アディティブ製造はすでに各産業にディスラプション(破壊的な変化)をもたらしており、特に品質関連以外のコストを低減することに注力しながら、製品の設計や製造を加速させています。GEの再生可能エネルギー部門も例外ではなく、アディティブ製造技術を使った取り組みを本格化させています。

GEアディティブ事業部のチームと共に、私たちは金属3DプリンティングがGEの事業にもたらすメリットについて把握しようと研究を重ねています。製品コストの削減や、最終的に均等化発電原価(Levelized Cost of Electricity )の削減を実現できる可能性がある活用事例をすでにいくつか確認しています。アディティブ製造技術は、部品の軽量化や小型化、あるいは少ない部品点数によってサプライチェーン全体を簡略化することができ、差別化された製品の設計や開発、複数部品の統合、試作品のサイクルタイムの短縮を実現します。長期的で、これまでの仕組みを変えるような技術に関するプロジェクトもあれば、もっと短期的な成果を生み出すものもあります。

特にポリマー製の構成部品の場合、3Dプリント技術のコストはこの数年間で大幅に減少し、プリント可能な部品のサイズは大きく拡大しました。この傾向が続けば、この技術のさらなる応用が可能になります。

私たちのチームは、GEアディティブや提携先メーカーと部門の枠を越えて協力しあうことで、わくわくするような成果を生み出し始めています。ここで一例をご紹介します。

大型化・高速化・高品質化

・数週間前、私たちはスペインの鋳造所で洋上風力タービン「Haliade-X」の模型試作品の鋳造部品の55%スケールモデルを3Dプリンティングを利用してで製造することに成功しました。このスケールモデルは3Dプリンティング製の型を使って作られたもので、今もさらにサイズの大型化が進んでいます。

・着想から完成までの時間が著しく短縮されたこのプロジェクトは、従来の方法と比べてリードタイムを大幅に短縮できることを証明しており、また、型製造費を削減し、設計変更に対する柔軟性も兼ね備えています。

・次のステップは、上記スケールモデルを製造した3Dプリンティング製法に対して総合分析を行い、アディティブ製造技術を用いて機械ヘッド部品のフルスケールモデル、つまり実物大の試作品を流し込む可能性を探ることです。

・陸上風力においては昨年、GEがこれまで製作したものの中で最大の3Dプリント試作品を納入しました。2.5MWのリアエントリーハブの実物大模型です。プリントした模型は、GEの米国フロリダ州にあるペンサコーラ工場に直接納入され、量産型の発注に問題がないか速やかに確認するため、いくつかの重要な設計機能を検証するという用途に使用されました。

3Dプリントした試作品

・量産型の発注後も、最初の鋳造品を受け取るまで、ペンサコーラのチームは引き続き試作品を使用していました。早期の組立ラインの設定、トレーニング、安全評価、さらなるコスト削減の可能性の調査など、実物大模型がもたらすメリットは枚挙にいとまがありません。

・この大きな3Dプリント部品の中に立つ迫力は、すごいことです。しかし、設計から生産までの期間を5か月も短縮できたことによるコスト削減はもっとすごいことです。

コストと時間の節約

GEの水力発電事業でも、エンジニリング業務のサプライヤーの品質チームが、アディティブ製造技術を用いて製造した最大直径1メートルのフランシス水車の試作品を初めて承認し、受け入れました。フランシス水車とは、ブレード形状を利用して水の運動エネルギーをトルクに変換するタービンの回転部分です。アディティブ製造技術を用いたことで、従来の方法より金型精度と鋳造部品の精度がはるかに向上しました。

フランシス水車の3Dモデル

つまり、アディティブ製造によって製造工程が少なくなり簡略化されたことで、コストと時間を大幅に削減できる流体力学的に良好な断面形状を実現しました。この技術の導入により、即時に大幅なサイクルタイムの短縮を実証できたのです。

金属3Dプリンターを使って製造されている大規模な試作品は他にもあります。GEは、これまでも最大規模の3Dプリント金型を製作し、着想から完成までたった数か月で試作品を作ることで限界に挑戦してきました。これらのプロジェクトは、従来の方法と比べてリードタイムを大幅に短縮できることを示しており、また、工具費を削減し、設計変更に対する柔軟性も持っています。

製造工程にアディティブ製造技術が深く浸透している航空宇宙産業に比べると、再生可能エネルギー産業はいまだ発展途上にありますが、私はこの技術が建設的かつ革新的な影響を与え、加速度的に再生可能エネルギーのコストを減少させていくと予想しています。私たちのチームがすでにアディティブ製造技術を用いてこのように短期間で成果を収め、生産コストの大幅な削減、品質向上、時間短縮を実現できたことは特筆すべきことです。

メール配信メール配信