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ボーイング社の最新型ワイドボディ・ジェット旅客機に搭載されるGEの技術はジェットエンジンだけではない

ボーイング社の新型ワイドボディ・ジェット旅客機「777X」のなめらかでワシを思わせる翼は、先端部が折りたたみ構造になっていますが、好評を博してきた777シリーズの従来の航空機と異なる点はこれだけではありません。この機体には、操縦を容易にするコックピットのタッチスクリーンディスプレイ、滑走路でのパイロットの操縦を助けるカメラ、コモン・コア・システムと呼ばれる先進的なネットワーク技術など、高性能なアビオニクスが多く搭載されています。これらすべての技術には電力が必要です。事実、777Xは旧型機の2倍ほどの電力を必要とします。

より多くの電力を得るには、777Xの発電機(機体のジェットエンジンを使って電力を生成する航空機用発電機)を新型にする必要がありました。777Xのために世界最大のジェットエンジンGE9Xを開発したGEアビエーションは、この機体用エンジンの専任サプライヤーとして、電気システムについても入札することに決めました。以前は競合他社が777機向けの主発電機とバックアップ発電機の両方を供給していましたが、今回はGEアビエーションがバックアップ発電機(業界での略称はBuG)を含むバックアップ電源システムを構築する予定です。

GEアビエーションの電源システムユニットのゼネラル・マネージャー&プレジデントであるジョセフ・クリスシナスによると、バックアップ発電機の認可要件として、主発電機と異なる動作方法でなければなりません。「完全に違う仕組みにしなければなりません」と彼は言います。

上記:オハイオ州デイトンで働く技術者たちは、開発時にBuGをテストするために、777Xの配線の等身大レプリカを開発しました。天井から特殊なラックで吊り下げられた長さが何マイルもある多色ケーブルなどが備えられている。画像著作権:トマス・ケルナー(GEレポート)最上部:GEアビエーションによるコモン・コア・アビオニクス構想。これらすべての技術には電力が必要である。画像著作権:アレックス・シュロフ(GEレポート

なぜなら、主発電機の故障を引き起こす設計上の欠陥があった場合、バックアップも同じ原因で故障することを避けたいからです。GEのBuGは、ボーイング737の本体と同じくらい幅広の巨大なジェットエンジンの回転ローターを使い、発電機の誘導磁場内でコイルを回転させて交流電流を生成します。電流の周波数はローターの速度によって変わるため、システムの電気回路はこれを直流電流に変換し、その後、定常周波数400ヘルツ(アメリカの家庭用コンセントの約7倍)で交流電流に変換します。これに対して777Xの主発電機は、機械的連動によって一定の速度で発電機を回転させます。

GEのBuGは、777Xの2つのエンジンそれぞれから50キロワットの電力を生み出します。これは、機体のアビオニクスや必要不可欠なシステムのすべてに電力を供給するのに十分なレベルですが、厨房、コーヒーマシン、娯楽システムといった付随装置には足りません。「バックアップ電源の使用時、映画を観ることはできないでしょう」とクリスシナスは言います。またBuGは、電源が遮断された場合に、接続が途切れることなく起動できるようにするため、主電源システムと連動しています。

777Xの契約は、GEアビエーションが軍事用に開発した技術を商業システムへ応用する取り組みの一環です。例えば777XのBuGは、もともと超音速戦闘機「F/A-18ホーネット」や他の軍用機向けに開発された設計をもとに作られています。このような商業用の専門知識を深めるため、GEは5,200万ドルを投資し、5年前にオハイオ州にあるデイトン大学のキャンパスに電力統合システムセンター(EPISCenter)を開設しました。

狙いは、モバイル電源システムの中核拠点を形成することでした。EPISCenterには、モデリングおよびシミュレーション・ツール、テストセル、コンピュータ・サーバー群、その他大規模な工学プログラムをサポートするために必要な技術が収容されています。ここで働く技術者たちは、開発時にBuGをテストするために、777Xの配線の等身大レプリカを開発しました。天井から特殊なラックで吊り下げられた長さが何マイルもある多色ケーブルなどが備えられています。「このような大規模なシステムを開発するには、システムの専門知識が必要です」とクリスシナスは言います。「ただ発電機を提供するだけではありません。航空機の残りの部分とシームレスに統合する電気システムを提供しなければならないのです」

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