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料理の万能カロリー計算機、実現はもうすぐ

数年前、マット・ウェブスターは妻の誕生日のサプライズプレゼントに、歩いたり運動したりするときに使う“消費カロリー計”をあげようと思いつきました。そこで「今年のバースデー・プレゼントに“消費カロリー計”なんてどう!?」と聞いてみたマット。妻が見せた反応は、しらけた表情でした。

問題は、サプライズにすべきプレゼントのアイデアを彼女に話したことではなく、“消費カロリー計“というモノが彼女の心を打たなかったことでした。「食べようとしてるお料理のカロリーを教えてくれるわけじゃないなら、いらないわね」と。

彼女が言うようなカロリー自動計算機はまだ市場に出回っていません。でも、ニューヨーク州北部にあるGEの研究所で働くシニアサイエンティストでもあるマットは、諦めませんでした。診断学と生物医学の研究を専門とする彼は、あらゆる食品に対応したカロリー計算機を開発しようと決めたのです。「ばかげてるし、不可能かもしれないと思ったけど、挑戦してみようと思ったんだ」

マットは、米国農務省が集計した膨大な食品データを咀嚼するところから始めました。データベースには6,500品目の栄養情報がありました。「シンプルなレシピに落とし込んで、ごく少ないデータポイントからカロリー判別できるようにしたかったんです。センサーを使えばこうしたデータポイントを計測できるし、あらゆる食品のカロリー計算が可能になるはずだからね」

先進的なマイクロ波センサーで食品の脂肪分と水分子を検出

彼は複雑なメニューに取り組む前に、消去法を利用して無脂肪食品のメニューに着手しました。「作業は合理的に進めましたよ。平均的なカロリー密度を把握するために、まず脂肪分を除去し、そして水分を検出しました」

この分析によりマットと彼のチームは、重量、脂肪含有量、水分含有量の3つの測定値のみを使用した、シンプルな食品カロリー算出式を導き出しました。「この算出式では脂肪含有量と水分含有量を把握します。そして、それ以外の成分のカロリーを推計するんですよ」

それ以外の成分とは、糖分、炭水化物、タンパク質、その他の成分の化合物を指しているわけですが、マットは「詳細は説明しなくてもいいよね?それを算出するのが僕らの仕事だし、算出方法は企業秘密だからね」と笑います。

こうしたデータを収集するために、彼のチームは食品にマイクロ波を照射し、その反応から脂肪分と水分を検出できる先進的な電子工学技術とセンサーを開発しています。「こんなことが可能なのは、マイクロ波に対する水分と脂肪分の反応が全く異なるからなんですよ」とマットは説明します。

チームは現在、米ベイラー大学の電子情報工学部の研究者と共に、油分、水分、糖分の単純混合物について、このシステムをテストしています。すでに彼らは試作品を仕上げていますが、将来は家庭のキッチンに標準的に装備されるような押しボタン式カロリー計算機になることを目指しています。

そのうちGEチームがこの食物カロリー計とスマートフォンのアプリやウェアラブル型消費カロリー計を連携させる日がくるでしょう。マットは「妻が夢みるプレゼントを実現できるように、がんばってるんだよ」と話しています。

一番上の写真と上記写真:押しボタン式カロリー計算機の試作品