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危険とサヨナラ!ドローンが変える石油プラント検査の現場

石油精製工場のそばを通りかかったことがおありなら、煙突から炎が噴き出ているのをご覧になったことがあるでしょう。あれは“フレアスタック”と呼ばれる設備で、石油製品の製造過程で生じる余剰ガスを無害化するために燃焼させているものです。スタック(煙突)の先端は数百度にも達し、常に猛烈な圧力がかかっています。ごく小さな亀裂やわずかな腐食でも、生じる場所によっては爆発などの事故を引き起こし、操業停止どころか、そこで働く人々を命の危険にさらしかねません。「要するに“火炎噴射機”なんです」と、GEベンチャーズで新事業創出部門マネージング・ディレクターを務めるジョン・スピルトスは言います。「誰も、あまり近づきたくはないですよね」

しかしながらスタックは、安全規制上および操業上の理由から、定期的な検査が必要です。かすり傷のようなごく小さな摩耗でもガス漏れや関連システムの操業度低下につながることがあるため、それらを見落とさないように検査担当者は間近で作業しなければなりません。検査は、設備や関連システムを停止して温度が下がってからでないと行えず、足場を組み、チームによるロープ高所作業、視覚分析をともなうなど、時間とコストもかかる危険な作業です。検査そのものは数日でも、修理が必要な場合はさらに数日を要します。すべての作業の終了までに、操業停止期間が数週間に及ぶことも珍しくありません。

でも、スピルトスのチームにとっては、これも過去のことになりそうです。彼のチームはロボットもしくはドローンの使用を検討中。これらの機器を使えば、スタックが稼働している間さえも検査を行えるようになります。特別なセンサーを備えたロボットは、さまざまな工業設備の稼働状況や映像を取得。収集されたデータは一連の検査手順に従って処理され、検査担当者は離れたところにあるモニタールームからこれをチェックすることができます。

最上部および上記動画:ドローンから届くデータを用いれば、
設備の3D モデルを作成し、時間の経過とともに生じる変化を監視できる
(動画:GEオイル&ガス)

機器が情報を記録してくれるので、その分人手をかけて徹底した検査を行うことが可能に。「複数の人間が同じ設備を同時に見ることができるんです」とスピルトスは言います。「検査が行われている最中に、その結果に対応することだってできます。撮影中であってもビデオの停止・巻き戻し・早送りができ、集中した検査が必要な箇所が見つかれば、その画像に注釈をつけて専門家に転送することも可能なんですよ」

ドローンから届くデータを用いることで、設備の3Dモデルを作成し、時間の経過とともに生じる変化を監視できます。たとえば、金属部品が膨張し始めているのかそれとも変形し始めているのか、あるいはごく小さな傷が進行しているかどうかといった具合。?プラント全体を停止させる必要がないので、検査頻度を上げることができ、問題の早期発見につながります。検査する設備にもよりますが、ドローンやその他のロボットの使用によって、検査に必要な時間を約50%削減できるとGEでは試算しています。

GEオイル&ガスはまた、こうした検査データをPredix上でさまざまなセンサー・データと組み合わせて、プラントの健康状態をより詳細に描くことを可能にしています。取り組みはまだ試験段階ですが、スピルトスのチームはすでに5つの工業施設で検査を行っており、今後に期待できる、よい結果を得られています。