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エンジニアの夢 ― GEがついに公開、巨大金属3Dプリンター

GEの3Dプリンティング関連の事業部門、GE アディティブを率いるモハメッド・エテシャミが3Dプリンティングについて話すとき、しばしば “破壊的なひらめき”について語ります。それは彼自身が、積層造形は企業のものづくりのあり方を完全に変えてしまうだろうと気づいた時のことでした。「ちょうど今日のような、なんでもない普通の日に、私は興奮すると同時に不安に襲われました。私たちがソリューションを見つけたことは明らかでした。しかし、この技術は、これまで我々が多額の資金をつぎ込み、何年にも渡って続けてきたビジネスの存続を揺るがすものだと気づいたのです」とモハメッドは言います。それ十数年前のことでした。今モハメッドは3Dプリンターや金属粉の開発・販売を手がけ、コンサルティングサービスを提供するGEの新事業「GEアディティブ」をリードしており、いま彼のチームは、この新しいインダストリーそのものをも破壊しようとしています。

モハメッド・エテシャミは「モノづくりマッチングJpaan2017」でのオープニング記念講演を予定
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11月中旬、エテシャミと彼のチームの姿はドイツのフランクフルトにありました。世界最大のアディティブ・マニュファクチャリング(積層造形)展示会、「formnext」が開催されたのです。ここでチームは、レーザーと粉体層を使ってモノを形成する金属3Dプリンターとしては世界最大となるマシンのベータ機を披露。この3Dプリンターは、薄層の金属粉末を1キロワットのレーザーで溶解し重ねることで直径1メートルのモノをパソコンから直接プリントすることができます。このマシンは技術的な拡張性を備えており、将来より大きな部品を造形できるようになる可能性も。実際、GEの顧客企業からは直径1メートル以上の部品を造形したいという要望が寄せられています。

GEは、昨年夏のパリの航空ショーで“プロジェクトATLAS(Additive Technology Large Area System)”と呼ぶ開発の取り組みについてご紹介しました。エテシャミは、「このマシンはジェットエンジンの構造部品や単通路型航空機の部品など、アビエーションのパーツを3Dプリントすることもできます」と話します。

エテシャミと彼のチームは、既にベータ版の3Dプリンターを使ってジェットエンジンの燃焼器ライナーを“プリント”しています。エテシャミ曰く、「新しいマシンはCFM社のLEAPエンジンの大きさ合わせられていて、その解像度と性能は素晴らしいものです。これは、自動車業界や電力業界、宇宙業界にも応用できますよ」。

ドイツのフランクフルトで開催された世界最大のアディティブ・マニュファクチャリング展示会「formnext」で
プロジェクトATLASによって開発した巨大な3Dプリンターのベータ版を披露する様子
最上部の写真:プロジェクトATLASによってGEが開発した
レーザーと粉体層を使って部品をつくる世界最大の金属3Dプリンターのベータ版
(写真:GEアディティブ)

まだ名もないマシンを開発するにあたり、GEは2016年に株式の75%を取得したドイツの金属向け3DプリンターのメーカーConcept Laserのノウハウをフルに活用しています。この新しい3Dプリンターが持つ設計とテクノロジーは、その正確性と品質を保ちながら、ユーザーが金属粉とコストを削減するのに貢献します。

この新しいプリンターが持つ、金属粉投入量を調整する技術はGEの独占技術で、これにより初期のマシンと比較して金属粉使用量を69%削減できるとConcept Laserは話します。さらに、新しいマシンは現行製品よりもプリント速度が速く、GEは設計を最適化することでユーザーがより多量のレーザーを使用できるようにします。

この新しい3Dプリンターは、プリンターの稼働状態や故障を監視するにあたって、Predix-GEが開発したインダストリアルインターネットのためのソフトウェアプラットフォーム-の強みを活用することができます。Concept Laserが開発した新しいM2プリンターはすでにPredixを使ったデータアナリティクスに適応可能になっており、マシンの利用状況や生産状況を確認したり、起こり得るトラブルの予兆を未然に見つけることができます。

米国サウスカロライナ州グリーンビルにあるGEパワーのアドバンスト・マニュファクチャリング施設でも
効率発電を可能にするガスタービンの部品を3Dプリントしている
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GEの事業部門のうちいくつかは、すでにアディティブ・マニュファクチャリング(積層造形)の技術を使って新しい部品を製造・開発しています。GEアビエーションはLEAPシリーズのジェットエンジンの燃料ノズルをプリントしています。GEアビエーションは進化したターボプロップエンジンも製造しています。これは、3Dプリンティングを含むアディティブ・マニュファクチャリング技術を用いて多数部品を製造した、歴史上初の民間航空機のエンジンです。エンジン設計者たちは、855にも及んでいた部品をわずか12にまで減らすことに成功し、結果的にエンジンの3分の1以上が3Dプリントされることになりました。GEヘルスケア、GEパワー、ベーカー・ヒューズ(オイル、ガスのフィールドサービスを扱う)もまた、このテクノロジーを使っています。エテシャミは言いますーー「これはまさに、エンジニアの夢ですよね」。

 

 

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