ロゴ

行動するなら今!インダストリアル・インターネット

産業機器のネットワーク化、インダストリアル・インターネット(Industrial Internet)。
来日したGEソフトウェアのバイス・プレジデント、ビル・ルー(Bill Ruh)が
まさに今幕を上げたインダストリアル・インターネットの時代について語ります 。

「機は熟しました」
先週来日したGEグローバル・ソフトウェアセンターのバイス・プレジデントを務めるビル・ルーは、報道機関や各業界の企業を前に、インダストリアル・インターネットについて語った際、この言葉を繰り返し、強調しました。

「今、このタイミングに賭けて、将来の準備をできるかどうか。それが勝者と敗者を分けるのです」

インダストリアル・インターネットとは、GEが近年積極的に経営資源を投下してきた産業機器のネットワーク化。これが実現し、次の10年間で120億台の商業用の機器と170億台の産業機器がネットワークにつながることで、GEは1兆ドル(約115兆円)の経済効果を生み出すと考えています。ビル・ルーは、今まさにその流れが現実化を始めたと訴えます。

GEの現職に就くまでにも25年以上にわたりIT業界に身を置いてきたルーは、インダストリアル・インターネットの現状は、消費者向けインターネットが爆発的に普及・拡大していった直前、90年代後半の状況に似ていると言います。「90年代、アマゾンやアリババは今のような形では存在していませんでした。でもそれから10年の間に、これまでの小売業のリーダーであったウォルマートに取って代わる存在になりました。音楽業界を見てください。完全に再編されてしまいましたよね。そして当時、賭けに出たことで今の結果につなげたのがグーグルでした。 あの頃、マッキンゼーは10億人の人たちがインターネットにつながると予測していましたが、今ではすでに30億人を超える人々がネットにアクセスしていて、その数は40億人にもなろうとしています。 これと同じようなことが、次の10年間に産業界で起こるのです」

GE ソフトウェアのビル・ルー(Bill Ruh)氏

インダストリアル・インターネットの現状は、消費者向けインターネットが
爆発的に普及・拡大した直前、90年代後半の状況に似ている

ルーが想定するこの変化が産業界で実現し、産業機器がネットワークでつながった時、その経済効果は消費者向けインターネットの比ではありません。これまでにもGEが「1%の力(Power of 1%)」として提唱してきた試算では、航空機エンジンの燃料消費や長距離貨物列車の運行システム、火力発電の燃焼効率をわずか1%改善するだけで年間およそ580億ドル(約6兆6,120億円)の経済効果を生み出すことが可能となります。

その価値を生み出すための条件が今、ようやく整ったのです。

消費者向けハードウェアにおけるスマートフォンのように、産業界でもハードウェアとソフトウェアの融合は一般的となり、また高機能化・低価格化したセンサーなどの機器がより多くの産業機器に搭載されるようになります。その結果、あらゆる機械は単なるハードウェアで終わらない、よりインテリジェントな「ブリリアント・マシン」へと変貌を遂げています。

現に、1回のフライトで1テラバイト、スマートメーター1台が1日で35ギガバイト、ガスタービン一基で1日500ギガバイトといった具合に「ブリリアント・マシン」が日々生み出している膨大なデータ量を収集・管理する産業用データレイクが今年、GEと米Pivotalによって本格展開を始めました

さらにGEでは、その膨大なデータから実際にビジネスに活用するためのインサイト(洞察)を導き出すためのソフトウェア・プラットフォーム「Predix」を開発・発表すると共に、今後これをオープンソース化する予定です。

GEが立ち上げた「インダストリアル・アップ・ファクトリー」というアプリ開発部門では、「Predix」上で活用可能なアプリケーションソフトを90日間というサイクルで、大規模かつ迅速に開発しています。実際、このサイクルで昨年は24種、今年もこれまでに35種と、大量のアプリケーションを生み出しました。そして、それらのアプリを活用したソリューションが、ビッグデータを解析し、ビジネス成果をもたらすための課題解決に必要なインサイト(洞察)を提供。GEでは、これらのセールスは昨年8億ドル、今年はすでに10億ドルを超えると発表しました。

たとえば、航空業界向けのGEアビエーションのサービス「Flight Efficiency Services」では、効率的な運航を実現するための解析ソフトである「Flight Analytic System」を活用し、安全性向上のための「Flight Risk Management」、燃費向上のための「Fuel Management」といったソリューションを提供しています。同時に、GEとアクセンチュアのジョイントベンチャー企業、Talerisも独自のアプリを開発・提供しています。具体的には、航空機の不具合の兆候を捕らえ、予測することで効率的な運航と整備点検を可能とする「Maintenance & Prognostics Services」や天候をはじめとしたトラブルで乱れたスケジュールの回復を図る「Recovery Service Delivery」、効率的なクルーの配置を実現する「Paring Optimizer」など、様々な側面から効率化、コスト削減を実現するアプリケーションソフトが開発・実用化されています。

GEアビエーションの「Flight Efficiency Services」

アジア最大の格安航空会社(LCC)、エアアジア社はGEのソフトウェアを活用して
年間あたり10億円規模の燃料費削減を実現している

今回ルーが来日したのは、こうした流れが日本からも活発に生まれてくることを期待しているからに他なりません。「私も、95年頃から大企業をはじめとして、様々な形で日本でのビジネスに携わる機会がありました。そこで感じた日本の印象は、高い技術力、生産性、高品質、専門知識の高さ。日本という市場は、世界的に見ても最先端を走っていると言えるでしょう。実際、過去50年間を見ても、日本は生産性や自動化といった部分で,世界のトップを走り続けてきました。その傾向はインダストリアル・インターネットの実現でさらに高まるはずです。私たちが今、ここにいるのはまさにそのためなのです」

その筆頭としてルーが力を注いでいるのが、今年4月に発表したソフトバンクとのパートナーシップ

「ソフトバンクは素晴らしいパートナーです。常に迅速に新しいことに取り組む企業です。同社は今後、『Predix』をクラウドで提供するだけでなく、独自のアプリを開発することで同社のサービスを補完、構築していきます。そうすることで、ソフトバンク社自身も顧客にさらなる付加価値を提供することが可能となるわけです」

市場で稼働するGE製の産業機器は、資産価値にして10兆ドル(約1,140兆円)にも上るものであり、「インダストリアル・インターネット」普及に向けた強力な推進力を持っています。そこに、ソフトバンクを始めとしたパートナー企業のインフラをかけ合わせて行くことで「インダストリアル・インターネット」はさらに巨大で、強力になっていきます。

GEとアクセンチュアが実施した最新のグローバル調査、「インダストリアル・インターネット・インサイト2015 (Industrial Internet Insights for 2015)」では、88%の回答者は「ビッグデータ活用が自社にとっての最優先事項である」と回答。また、66%は、「インダストリアル・インターネット戦略を推進するためにビッグデータを活用しなかった場合、今後1年から3年以内に現在の市場ポジションを失うことになる」と考えています。

このように世界中の企業が、ビッグデータを収集するだけでなくそれをどう活用していくか、活用できなかったとすれば競争に敗れるリスクを負うという状況を理解しています。その意味でも、ルーの言うとおり「機は熟している」のです。「10年後、どうなっているのかは私にも分かりません。でも、この可能性に毎朝、ワクワクせずにはいられませんよ」

まさにいま幕を上げた「インダストリアル・インターネット」の時代、その勝者となるために動き出すのは今なのです。