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ビッグデータの活用‐変貌するGEソフトウェア

製造業のイメージが強かったGEは、今はビッグデータを活用したソフトウエアに力を入れています。
あらゆる業界で活躍しているGEのソフトウェアの事例をご覧ください 。

予定に遅れるのは、誰だって避けたいもの。アトランタやシカゴのように非常に混み合うハブ空港では、航空便の到着がほんの少し遅れるだけで乗り継ぎに間に合わなくなり、それによる損害は芋づるのように膨らみます。米交通統計局によれば、米国の航空会社による航空便の到着遅延は2014年だけでも75万件を突破、15分以上の遅延またはキャンセルとなったフライトは25%を超える割合に。これらの遅延により航空会社や利用者が被る経済コストは、数十億ドルにものぼると推定されます。

GEアビエーションは、ビッグデータでこの問題を解決すべく ”インダストリアル・インターネット” をフル活用しています。航空機に取り付けられたセンサーや地上で働くオペレーター、公共機関から提供されるデータなど、インダストリアル・インターネットは様々なものを繋ぎます。そして、そこに繋がるソフトウェアが飛行中の航空機のリアルタイムな状態や航空運航量(空の交通量)、気象情報、その他さまざまなデータを総合的に解析し、最も燃費効率がよく安全な飛行ルートを即時に割り出すなどして航空会社のオペレーションを支援しています。航空便の出発が遅れるとパイロットたちはその遅れを取り戻さねばならず、燃料を過大に消費せざるを得ません。このソリューションですでに多くの航空会社が発着遅延やキャンセルを回避し、利用者の満足度を高めながらも燃料コストを大幅削減することに成功。ビッグデータを実利に繋げています。

これはGEのインダストリアル・インターネットの一事例。同様の手法で、GEはあらゆる業界の生産性・効率性を押し上げようとしています。「いま、ネットワークに繋がる機器やデバイスは、全く新しい局面を迎えています。機器やデバイスの”相互接続“は、完全にオープンに、かつ新しい次元のものになろうとしています」――ネットワークを介した機器や人とデータの相互連携に関するレポートでこう唱えているGEのチーフエコノミスト、マルコ・アヌンツィアータは「デジタルとフィジカル(物理的なもの)の融合は、ほとんど未知の手法によってまったく新しい価値創造を加速させています。GEはいま、製造業における、全く新しい種類の企業を立ち上げようとしているのです」と言います。

GEのCF「Datalandia(データ・ランディア)」シリーズより

GEのCF 「Datalandia(データ・ランディア)」 シリーズより

GEは過去4年にわたってソフトウェアとアナリティクス(分析)に10億ドル以上を投資し、米国、欧州、中国にソフトウェアセンターを開設しました。

GEは事業の歴史を通じて、豊富なエンジニアリングのノウハウを培ってきています。これまで世界中で手掛けてきたインフラストラクチャーの規模の大きさ、また、インダストリアル・インターネット用に開発したオープンアーキテクチャのソフトウェアプラットフォーム「Predix」を持つ側面からも、人とデータと機械がつながった新しい世界を実現するうえでGEはユニークな立場にある、とアヌンツィアータは話しています。実際に、世界では約28,000基のGE製航空機エンジン、21,000台の機関車、さらにはMRI(磁気共鳴断層撮影装置)やCT(コンピューター断層撮影装置)スキャナーなど140万台の医療機器が稼働しています。

世界中で稼働するビッグデータを活用したGE製の機器設備

ネットワーク網に機器が数多く繋がることで“ネットワーク効果”が発揮される、ということは「メトカーフの法則」として知られるとおり。「通信ネットワークの価値は接続する利用者数の二乗に比例して増加する」というこの法則は、1980年代に米国の電気技師、ロバート・メトカーフが提唱した考え方です。もっとも、当初は電話通信について述べたものでした。しかし、この法則はコンピューターやスマートフォンだけでなく産業機器にも当てはまります。「相互接続されるハードウェアと、その事の価値を最大限に引き出すソフトウェアプラットフォームをGEという“一つ屋根の下”で同時開発することは、当社の在り方そのものを再定義することでもあります」とアヌンツィアータは言います。彼はまた「フィジカルとデジタル」の融合はGEを「伝統的な産業機器メーカーから、フル・レンジの包括ソリューションを提供し顧客企業の成果と収益性の最大化を実現することのできる企業へ」と転換させつつある、と語っています。

GEのインダストリアル・インターネットの歴史

画像をクリックすると、GEのインダストリアル・インターネットの
歴史をご覧いただけます(リンク先は英語)

「Predix」はすでに、鉄道業界から医療業界まで数十のアプリケーションをサポートしています。たとえば医療分野では、医師達が医療機器がどこにあるかを把握する、患者さんの待ち時間を管理する、投薬量を監視したり病院スタッフを有効活用する・・・といった用途で利用されています。

エアアジア社、ノーフォーク・サザン社、コロンビア・パイプライン・グループ社をはじめとするGEの顧客企業は、こうしたソフトウェアを各社のコスト削減や競争力強化のためのツールとして採用しています。GEのソフトウェア・アプリケーションの売上は2014年時点で約10億ドルの規模にあり、前出のアヌンツィアータは「デジタル主導の産業」は旧来型・伝統的な産業分野のプレイヤーよりも急成長・高利益率を謳歌するだろう、と語っています。

GEのソフトウェア・アプリケーション

GEは重工系の“製造業”のイメージが強かったかもしれません。しかし、現在は “ビッグデータ活用“を実際にかなり取り入れています。アヌンツィアータは、GEは新製品開発を加速させ顧客企業のニーズにより迅速に応えるために、データ活用を通じて、研究、設計、エンジニアリング、製造を連携させていることをレポートで説明しています。GEが「ブリリアント・ファクトリー」と呼ぶこのアプローチは、前回の記事で詳しくご覧いただけます。

アヌンツィアータはこう言います。「以前のレポートで議論したように、インダストリアル・インターネットやアドバンスト・マニュファクチャリングは、個々の機器やシステムを一変するだけでなく、規模の経済の本質、そして経済の展望を変化させ、製造業とサービス業の境界を曖昧にします。同様に、デジタルとフィジカルが融合した製造業の企業は、顧客や株主に提供できる価値や経営手法の面で、本質的に異なる様相を呈するようになってきています」

アヌンツィアータのレポート全文はこちらでご参照いただけます。(英語のみ)