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ギネス記録を塗り替えろ:超先端材料で自らの記録に挑むGE製タービン

GEのテクノロジーはこれまで何度かギネス世界記録に名を刻んできました。1963年にはGE製ジェットエンジンJ47が2基搭載された世界最速のジェットエンジン機関車が、2002年にはBoeing 777の多くに搭載されているエンジンGE90-115Bが世界一パワフルなジェットエンジンとして登録。そして今年6月、仏ブシャンにあるフランス電力会社(EDF)の発電所に設置されたGEのHAガスタービンが、世界最高効率のコンバインド・サイクル発電所として認定されました。

このHAガスタービンは熱効率62%という高記録を打ち立てましたが、この先もずっと破られないとは考えられません。GEグローバル・リサーチのラボでは、将来的に熱効率を65%に押し上げるために、次世代の超先端材料、セラミックマトリックス複合材料(CMC)や最新の燃焼技術、その他のテクノロジーを活用しています。

ギネス世界記録に登録されたGE製のジェットエンジン機関車
(写真提供:Down Wetzel氏)

最上部の写真:6月にギネス認定されたGE製ガスタービンを採用したEDFのブシャン発電所
(写真:GE Reports / トマス・ケルナー)

GEのラボはHAガスタービン用のCMC製タービンノズルを開発するために、米エネルギー省(DOE)、クレムゾン大学と840万ドルをかける研究プロジェクトのパートナーシップを締結したばかりです。これはDOEがガスタービンの効率化を支援するために発足したプロジェクトのひとつ。

GEパワーのチーフ・テクノロジー・オフィサー、ジョン・ラマスはこう言います。「わずか1%の効率向上だと思うかもしれません。たとえばGEのHAガスタービンを2基使用した1,000メガワットの発電所なら、その後10年間で5,000万ドル(50億円以上)も燃料費を節約できるんですよ。これを、世界各所で稼働するGE製タービンの規模全般にわたって実現できれば、ものすごいことです」

CMCはGEの複数の事業にメリットをもたらすテクノロジーの好例で、当社がいかに事業部門を超えて互いに学び合い連携しているかを示しています。GEがCMCの研究開発に着手したのはじつに30年以上も前で、DOEの支援を得ながら進めてきました。CMC完成に無くてはならなかったのが、日本生まれの先端材料。GEのCMCは日本カーボンが開発した「ハイニカロン」という炭化ケイ素連続繊維を埋め込むことで、割れやすいセラミックスの弱点を克服しました。合金よりも強度がありながら軽量な“夢の繊維”――この開発に30年も粘り続けた日本カーボンの技術者たちの存在なくして、CMCは完成しませんでした。

そうして生まれたCMCを、GEはまず発電用ガスタービンの試作部品に適用しました。そこでの経験と知見が、航空機用ジェットエンジン部品の構成素材としてCMCを用いる道をひらくきっかけに。そして、CMCは金属素材に代わる、より軽量で耐熱性の高いジェットエンジンの構成材料として認知されるに至りました。軽量化と耐熱性は効率向上につながり、産業界に何十億ドルもの燃料費節約と有害物質の排出削減という成果をもたらします。

CMC製部品を採用したジェットエンジン「LEAP」
(写真:GE Reports / アダム・セナトリ)

GEアビエーションでの成功とDOEから得られる新たな補助金を踏まえて、GEの研究者たちはタービンノズルの素材を高純度金属合金からCMCに代替することで、発電用ガスタービンでも同様のメリットを実現したいと考えています。とはいえ、新しいCMC製ガスタービンノズルは大きさも複雑性もいっそう増す見込みで、ここへの技術適用には一定の時間を要する見通しです。

重要なのはテクノロジーだけではありません。スピードも重要です。ラマスによると1%効率を高めるのにかつては10年かかっていましたが「GEのブシャン工場では、わずか6年で約60%から62%以上に引き上げることに成功した」と言います。GEグローバル・リサーチのセラミックスおよび冶金グループの上級主席科学者、ドン・リプキンは「ガスタービン用CMC製部品の開発によって、将来は発電効率の記録を塗り替えることができるようになりますよ」と話しています。

DOEはCMCプロジェクトに加え、ガスタービン効率化プロジェクトのリーダーにもGEを抜擢。このプロジェクトでGEは、燃焼プロセスにおいて燃料と空気をより適切に混合できる高度な燃焼部の開発に注力します。タービンのさらなる効率化の達成には、こちらも欠かせないステップなのです。

CMC製ジェットエンジンタービンブレード
(写真:GE Reports / アダム・セナトリ)