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日本生まれの新素材を採用、次世代航空機エンジン「LEAP」

GEアビエーションは、米国インディアナ州に最新鋭の航空機エンジンのための組立工場を建設します。

そのエンジンの名は『LEAP』、「Leading Edge Aviation Propulsion(最先端の航空推進技術)」の頭文字。その名のとおり、革命的なブレイクスルーをもたらす技術が詰め込まれています。

そのひとつは、セラミックマトリックス複合材料(CMC)をはじめとする次世代素材。重さは金属材料の3分の1と軽量でありながら、耐熱温度は金属材料より20%も高く、多くの合金が溶解し始めるほどの高温でも使用することができます。

「軽量化による相乗効果は3倍をはるかに上回るんですよ。ファンブレードがすべて軽量化されているわけだから、ニッケル合金のタービンディスクも、従来のようにガッシリした作りでなくて良いわけです。遠心力が弱まるのでベアリングや他の部品もスリム化することができる・・・なんだか、物理の基礎みたいなお話ですね」と笑うのはGEアビエーション 製造責任者のマイケル・カウフマンです。

ここに採用しているのが、日本カーボンが開発した炭化ケイ素連続繊維。
耐熱性と耐久性に優れ、かつ軽量な「ハイニカロン」です。軽量な高強度素材として注目される「炭素繊維」と似ているようですが、炭素は高温大気中では燃えてなくなってしまうので、高温環境では使えません。一方、炭化ケイ素は炭素と異なり、高い耐熱性を有します。この特徴を利用してセラミックスを炭化ケイ素繊維で強化することで、高温になる航空機エンジンでの使用が可能になったというわけです。

この新素材は金属部品製の同サイズのエンジンより何百ポンドも軽量化し、エンジン効率を大幅向上してくれます。「私たちは素材技術開発を進めています。航空機エンジンの軽量化や耐熱性強化、そしてより簡易に冷却することができる素材・・・素材技術によってエンジンや航空機の運転効率が高まり、低コストでの運用が可能になるんですから」

カナダで冷却テストを実施するLEAP1-Aエンジン

LEAPエンジンを搭載した航空機が就航するのは2016年。このエンジンはGEアビエーションのベストセラーとなっており、20カ国から得られた確定受注はすでに6,000基を超えています(2014年7月現在)。

※LEAPエンジンは、GEと仏スネクマ社(サフラン・グループ)が50%ずつ出資した合弁会社、CFMインターナショナルが開発しています。

オハイオ州の試験台に設置されたLEAP-1Aエンジン初号機(一番上の写真も同じ)

それぞれのLEAPエンジンには、特殊合金を用いて3Dプリンターで製造した19個の燃料ノズル(写真下)や炭素繊維複合材ブレード、CMC製部品が使われています。

3Dプリンターで製造されたノズルの耐久性は、なんと従来モデルの5倍。3Dプリンティングを使えるようになったことで、よりシンプルな設計が可能になり、ろう付けや溶接の回数は25回からわずか5回に減りました。

こうしたブレイクスルーは、GEがジェット推進技術の研究開発に注ぐ年間10億ドルに及ぶ投資の成果です。

LEAPエンジン初号機はすでに徹底的な開発テストと認証プログラムの最中にあります。このテストではさまざまなエンジンシステムや運用性を評価します。地上テストおよび飛行テストでは、60回の「ビルド(builds)」を行いながらチェックします。「ビルド(build)」とは、テストのためにエンジンを分解し再び組み立て直すこと。すなわち、このテストでは60回組み立て直しながら検査しています。その都度、新しいハードウェアを含めたり含めなかったりして、様々なケースを試しています。こうして最終的には、2016年までに15年間分に相当する航空サービスシミュレーションを実施します。この性能テストプログラムは、CFMインターナショナルが実施したこれまでのテストのなかでも最も包括的なものです。