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新しい発電事業: 米国電力最大手が再生可能エネルギーをそのエネルギーミックスに追加する理由

アメリカの実業家ジェームス・ブキャナン・デューク氏と彼のパートナー達が湖とダムの優れたシステムを構築し、カロライナ州を流れるカトーバ川にダム建設を決定した当時は、電力はまだわずかな人しか購入することができない贅沢品でした。1904年に稼働を開始した最初の発電所で、その川に封じ込められていたエネルギーを利用して得られた電力はわずか6,600キロワット。これは、かろうじて今日の米国の7世帯に供給できる量でした。

しかし、デューク氏には成長にむけての計画がありました。当該パートナーは新規ダムを建設し、これらを最新の水冷変圧器やGEが供給したその他の機器(共同創設者であるトーマス・エジソンが世界初の商業用中央発電所を設立)に接続させることで、発電所から30マイル先の顧客まで送電が可能となり、デュークの兄弟であるベンジャミン氏が出資した事業を含む綿花地帯の新進の織物工場に送電できようになりました。

現在の米国電力最大手も開業当初はささやかなものでした。デューク・エナジー社として知られているその会社は南東部および中西部の2千4百万人以上に電力を供給していますが、ここに至るまでにGEのイノベーションが同社の成長を裏方で支えています。

デュークの成長は、米国民が冷蔵庫、エアコンなど、消費電力の大きな大型の家電製品を購入し始め、大規模石炭火力発電所から電気の供給が始まった第二次世界大戦後の成長期に勢いづきました。1965年には、原子力発電所1号を追加し、1990年代には、天然ガス大手になりました。

今、デューク社は再び変化しつつあります。過去10年間に、デュークは再生可能エネルギー事業に参入し、太陽光発電所60箇所および風力発電所20箇所に$60億近くを投資し、そのいくつかにはGEの技術が採用されています。現在、本拠州ノースカロライナは、太陽エネルギーによる発電とその使用がカリフォルニア州に次いで米国第2位です。デュークの再生可能エネルギーを取り仕切るロバート・コールドウェル氏は次のように語っています。「当社では、ノースカロライナに大規模な太陽光発電所を35箇所以上所有しています。加えて、他のデベロッパーからも多量の太陽光電力を購入しており、今後5年間に、ノースカロライナ州で3,000(MW)近く新規の太陽光電力を供給する予定です。」

コールドウェル氏が社長を務めるデューク・エナジー・リニューアブル社およびディストリビューテッド・エネルギー・テクノロジー社は、すでに3,000MW以上を所有・提供しており、その他の事業者が所有する風力発電所および太陽光発電所で生産される3,500MWの電力を管理しています。デューク社の従来型発電所が発電する50,000MWと比べるとその数値はまだ小さいですが、急速に拡大しています。

ページトップ画像およびこの画像: シャーロット(ノースカロライナ州)に位置するデューク・エナジー社のリニューアブル・コントロール・センターは、ブロック島沿岸にあるディープウォーター・ウィンド社がアメリカで最初に建設した洋上風力発電所のモニタリングを行ってる。この風力発電所ではGEのアリアッド風力タービンを5基使用している。画像クレジット: クリス・ニュー、GEレポート。

コールドウェル氏は、デュークが顧客の要望および州による指示に応えるために5年間で再生可能エネルギーから7,000MW確保する「準備を加速する」と言っています。「この10年間で、事業の規制面における再生可能エネルギーによる発電のさらなる導入に向けて、環境問題の専門家や、主要な政策立案者、一般顧客に限らず、当社の主要ステークホルダーによる大きな動きがありました。」とコールドウェル氏は言います。「キャンディメーカーのマース社や、アマゾン社グーグル社、アップル社、大学など、持続可能な成長を目指す多くの企業が参入しています。」

デューク・エナジー・リニューアブル社はシャーロット(ノースカロライナ州)にデジタル・リニューアブル・コントロール・センターを開設しました。そこでプロジェクトの実施状況をモニタリングし、米国のエネルギー網全体のシームレスな電力の流れを維持しています。太陽はいつも輝いているとは限らず、風はいつも吹いているとは限らないことから、このセンターの重要性が高まっています。また、デューク所有の風力発電所や太陽光発電所だけでなく、ブロック島(ロードアイランド州)周辺にアメリカで最初の洋上風力発電所を建設したディープウォーター・ウィンド社のような独立事業者が所有する施設等からも複合的に電力を供給しています。同社はGEの巨大なアリアッド風力タービンを使用し発電しています。

また、デューク社は送電網も最新鋭化し、蓄電池設備を追加して余剰電力を活用しています。「トーマス・エジソンが今日生きていたらこれが送電網だと分かるだろう、とよく言われてます」とコールドウェル氏は言っています。「ただ、未だ電柱と電線で構成されており見た目は変わりませんが、その機能は顕著に異なります。これまでよりもずっと詳細に電圧をモニタリングできる制御装置が搭載されています。基本的に通信ネットワークも所有している様なものです。」

デューク社にとって、再生可能エネルギー事業は、電力インフラ事業および天然ガス事業とともに3つの中核セグメントの1つとして、四半期決算時に投資家に報告するほど重要な位置付けになっています。「私は最もクールな仕事の責任者だ」とコールドウェル氏は言います。「当社はいろいろな事業を行っていますが、わたしが会社の中で最もやりがいのある仕事をしていると感謝しています。」

コールドウェル氏はGEレポートを手に座り、デューク社による再生可能エネルギーの取組みについて話しました。以下、インタビューをまとめました。

「私は最もクールな仕事の責任者だ」とデューク・エナジー社のロブ・コールドウェル氏は述べている。画像クレジット: デューク・エナジー社

GEレポート: 石炭および天然ガス火力発電所や原子力発電所からの電力により、デューク・エナジー社はその歴史を通じて大きく成長してきました。何が変化したのでしょうか?

ロブ・コールドウェル氏(RC): 10年前、デュークは風力および太陽光エネルギー分野への進出を始めました。再生可能エネルギーはただの規制上の義務ではなく、ビジネスチャンスであると捉えています。もちろん、規制として、再生可能エネルギーを購入し、購入した再生可能エネルギーが当社のポートフォリオの一定比率まで高める必要がありました。 しかし、発電ポートフォリオが将来変動することが見込まれることから、当社はこの技術の導入方法について考え始め、規制を正確に把握し、投資が可能で且つ、ビジネスとして成長が可能か確かめておく必要がありました。現在、当社の再生可能エネルギー・ポートフォリオの事業部門あるデューク・エナジー・リニューアブルは22の異なる州で事業を運営しています。

GER: この10年間は過去100年と全く異なっているように思えます。

RC: その通りだと思います。おわかりのとおり、わたしは本事業に100年も携わっているように感じるときがあります。ですが実際は、現在の職務に従事してから約1年6カ月です。当社は、再生可能エネルギーについて総合的な視点を持つ必要があることに気付きました。わたしは再生可能エネルギー関して規制を順守すると共にビジネスを成功させる責任があります。わたしの責務は今後数年にわたって本事業を2桁成長させることです。当社は再生可能エネルギーに対して強気の姿勢で臨んでおり、顧客もさらなる再生可能エネルギーを求めているため、当社はこれを実行します。

GER: 規制と事業セグメントの違いについて教えていただけますか?

RC: 規制面では、当社の価格や関税はすべて州の規制委員会が定めています。すなわち、当社の収益は事業投資と顧客への電力供給のための操業費によって決められることを意味します。この10年間で、事業の規制面における再生可能エネルギーのさらなる導入に向けて、環境問題の専門家や、主要な政策立案者、一般顧客等、当社の主要ステークホルダーによって大きな働きかけとなりました。当社はコンプライアンスの順守から実施し、現在、規制業種の顧客のために再生可能エネルギー資産への直接投資を開始しています。

事業セグメントでは、当社の収益は顧客との条件および価格の交渉によって決まります。当社は顧客のために太陽光および風力発電所を建設し、顧客に電力を届け、顧客はその電力を自らの顧客に供給します。

GER: デューク社にとって再生可能エネルギーはどれほど重要ですか?

RC: 2017年より始めた再生可能エネルギー事業は当社のCEOおよびCFOが四半期決算時投資家向け電話会議で報告を行う3つの中核セグメントのうちの1つです。デュークにとってそれほど重要なのです。ただ、これはまだ当社のポートフォリオのほんのわずかな部分しか占めていません。実際、当社の事業ポートフォリオでは、風力および太陽光により約3,000MWの電力を発電していますが、従来型の発電施設では50ギガワット近く発電しています。

しかし、米国内での当社の位置付けを調べると、当社は風力と太陽光の両方の再生可能エネルギーの所有者および事業者のトップテンに入っています。当社の再生可能エネルギー事業は既存事業と比べて急速に成長していることが分かります。再生可能エネルギーはこの数年間に米国における新電力のかなりの部分を占めており、当社はこの傾向が続くと見ています。


コンヴァース郡(ワイオミング州)のデューク・エナジーの世界でトップクラスの風力発電所はGEの風力タービンを使用している。画像クレジット: デューク・エナジー社

GER: この変化を推進しているのは何ですか?

RC: 当社の顧客です。当社は市場の動向を注視しおり、企業/地方自治体はさらに大口投資家になってきています。キャンディメーカーのマースや、アマゾン、グーグルとアップル、大学など、持続可能な成長を目指す多くの企業が既に参入しています。当社は、大型風力発電所や大型太陽光発電所から、屋上設置式の太陽光発電および電力負荷を調整できる蓄電システムに至るまで幅広いソリューションを全米の顧客に提供することができます。当社には、多くの商業用/工業用屋上設置式の発電を扱うRECソーラーと呼ばれる子会社(カリフォルニア州)があり、駐車場、オフィス・ビルおよびその他の場所に太陽光発電を設置しています。

GER: エネルギーミックスで再生可能エネルギーの割合を高めるという課題はどのようなものですか?

RC: 業界として、より使い勝手の良い製品にしていくことです。比較的低コストで、およそ99.98%が利用可能です。必要な時にそこにあります。ただ、再生可能エネルギーの提供において、電力品質と間欠性を管理する必要があります。これは例えば、太陽光発電では、昼と夜のみならず、雲が横切ると発電量が変動してしまいす。この問題を克服するため、当社は自社システムに通常とは異なる作業を行わせる必要があります。当社は風が止んだときに不足分を補うために急速起動のガスタービンが必要であり、周波数や電圧変動のバランスを取るために追加の蓄電池設備が必要です。当社ではこれを管理するために多くの計画を実行してきました。わたしはこれをわが社にとってチャンスだとみています

GER: 貴社ではソフトウェアやデータも使用していますか?

RC: 当社はより精度の高い計量モデル化や予測に関する多くの業務を行っています。これにより、当社では雷雨の通過を予測することができます。しかし、これは一例でしかありません。データは膨大で、再生可能エネルギーの生産を増加させ、コストを削減する大きな要因です。例えば、風の吹き始めまたは晴れ始めをより正確に予測できるようになれば、当社はその時に社内保守の予定を立てられます。シャーロットに再生可能エネルギー・デジタル・コントロール・センターがありますが、当社はここでデュークの全風力および太陽発電をモニタリングしています。すでに申し上げたとおり、発電量は約3,000MWです。また、当社はブロック島の洋上風力発電所を運転しているディープウォーター・ウィンド社などの顧客に対してさらに1,500MWのモニタリング・制御も行います。

GER: モニタリングの仕組みについて教えていただけますか?

RC: 当社は風力発電機のタービンを制御することができ、一部のタービンは実はGEモデルなのです。当社はタービンの性能をモニタリングし、風力発電所とトランスミッション・プロバイダーとのインタフェースも供給します。ブロック島のシステムについては、デューク、GEおよびその他のソフトウェアを組み合わせたものを使用しています。これには複数の階層があります。タービンの経済的価値およびロードアイランド州の送電網に投入されるクリーン・エネルギーの量を最大化するようにすべて設計されています。当社は風が吹いているときに送電網に送電するため、これに課金することができます。しかし一方で、伝送線が過負荷状態になった場合、コントロール・センターに信号を返し、例えば、タービン翼を水平に返すことで、タービンの出力を変更します。

GER: ユーティリティとしての電力事業の発電/将来計画について教えてください。

RC: ユーティリティとしての電力事業は再生可能事業部の弾力性の増加および風水害に対する堅牢性を助けます。 しかし、送電網の自動修正式セグメントを作成するために、スマートセンサを使用して電力潮流も変化させます。これらのセグメントが機能停止または電圧異常を検出した場合は、自動的に電力の流れを変えます。一連の作業は自然災害への備えに効果的ですが、再生可能エネルギーの不安定性の管理にも役立ちます。当該送電網は多くの場所で見られる送電網と同じように思われますが、その機能は大きく異なり、顧客はさらなるオプションが使用可能です。

停電時の迅速な情報提供から、いつ支払いを実施するかを顧客が決定したり家庭や企業の収益や貯蓄を最大化する支援まで、当社はこの先何年もすべての顧客が賢明なエネルギー選択を行うことができるようになることを支援できるようになることを目指しています。

当社が今日直面しているすべての課題は、顧客と協働し彼らが望むことを行えるよう手助けするための好機だと思っています。

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