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GEとアルストムによる電力発電産業の再定義

GE史上最大となったフランス企業、アルストムの発電・送配電事業の買収。
アルストムのグローバル電力発電事業とGEのビッグデータシステムを併せることで、
風力発電のパフォーマンスが一層向上することを期待します 。

GEは11月2日、フランス企業アルストム(Alstom)の発電・送配電事業の買収を完了しました。インダストリアル事業としてはGE史上最大となったこの買収は、実は深世紀を越えた”縁”のある2つの企業の結婚でもあります。その“ゆかり“を語るには、1世紀以上も昔、電力産業の創生期に遡って、GEの前身となった2つの企業の創設者トーマス・エジソンとエリフ・トムソンにも登場してもらわなければなりません。

GEは世界最大のデジタル・インダストリアル・カンパニーへと進化しようとしています。アルストムのグローバルな発電・送配電事業実績と併せることで、当社はより大規模なインストール・ベース(すでに設置された発電機器資産)に基づくビッグデータ解析ができるようになり、予期せぬダウンタイムを減らしたり、タービンや発電所、風力発電施設、送配電のパフォーマンスを向上させることができるようになります。

GEのCEOであるジェフ・イメルトはこう話しています。「アルストムの発電・送配電事業の買収完了は、GEが進化するうえで大変重要なステップです。補完技術、グローバルな対応力、インストール・ベース、そしてアルストムの発電・水事業に携わる人材が、当社のコア事業であるインダストリアル事業の成長を加速させるでしょう。新体制での事業を始動し、お客さまのためにエネルギー業界最高水準の包括的なテクノロジーとサービスをご提供する準備が整いました」

アルストム製風力タービン「Haliade」

アルストム製タービン「Haliade(アリアッド)」
ローターの直径は150 mで、フットボールのフィールドの1.5倍の長さをもつ
(画像:GEパワー&ウォーター)

いま、安定した電力を利用できていない人は、世界で約13億人にのぼります。国際エネルギー機関(IEA)の「2014World Energy Outlook」では、新たな電力ニーズへの対応や古い発電設備の刷新のために、世界は2040年までに約7,200ギガワット(GW)増加する必要があると試算しています。こうした電力需要の3分の2は中国をはじめとする非OECD諸国によるものですが、アルストムはこれらの国で強力なプレゼンスを築いてきました。

今回の買収を通じて、GEのインストール・ベースの発電能力は約1,800 GWに拡大しました。これは全米の供給量を十二分に賄える規模です。

この買収により、GEは発電所の設計をより良いものにしたり、送配電事業を飛躍的に拡大させることも可能になるでしょう。アルストムを迎え、GEはいま世界中の送配電事業拠点と、グローバルな競争を可能にするスケールを得たのです。たとえば、アルストムはブラジルにある世界最長の送電システム「Linhao do Madeira」に設備供給してきました。その送電距離はアマゾニア地域に位置するロンドーニア州から南東部のサンパウロ州まで、2,380 kmにわたり、5千本の鉄塔に張り巡らされた架空送電ケーブルは2万kmにもおよびます。

ビッグデータ解析で予期せぬダウンタイムを減少

大規模なインストール・ベースのデータを活かしたソフトウェア解析で
予期せぬダウンタイムを減らしたり、
タービン稼働や発電・送配電施設のパフォーマンスを向上させられることに

この買収は、広範で専門的な再生可能エネルギーの製品ポートフォリオ獲得でもあります。GEは陸上風力発電のリーダーですが、この買収により、それを洋上へと拡げることも可能になります。今回、たとえば巨大な風力タービン「アリアッド」事業を買収しましたが、このタービンは洋上風力発電としては米国初となるロードアイランド州のブロック島沖の洋上発電所を支えることになります。

洋上風力発電を支援している米プライベートエクイティ企業、D.E.ショウ・アンド・カンパニーの代表であるBryan Martin氏は「アルストムの風力タービンとGEの発電技術が一体化すれば、風力発電の勢力図は一変する」として「GEとアルストムの提携によって、欧州の洋上風力発電市場を独占してきたシーメンスにとっての初の”真のライバル”が誕生した」と語っています。

巨大なフランシス水車を仕上げる作業員

巨大なフランシス水車を仕上げる作業員(画像:GEパワー&ウォーター)

当社はまた、GEストア(事業間を跨いだ専門知識や技術の共有を通じて、知識や発明がGEのさまざまな産業分野のイノベーションや応用力を推進するというコンセプト)もこの事業統合のメリットを享受できると確信しています。GEは買収による相乗効果として、今後5年間で30億ドルのコスト削減を見込んでいます。

この買収取引は、欧州連合(EU)、米国、中国、インド、日本、ブラジルを含む20を越える国と地域における規制当局の承認を得て完了しました。

GEとアルストムとの縁は、GE誕生のさらに昔に遡ります。アルストム(Alstomという綴りは、当初はAlsthomでした)という社名が、2社の結びつきをはっきりと示しています。アルストムは、Societe Alsacienne de Constructions Mecaniquesの「Als」と、GEの前身のひとつでもあるトムソン・ヒューストン・エレクトリック・カンパニーの当時の愛称「thom」を組み合わせたものなのです。

エリフ・トムソンとチャールズ・スタインメッツ

ボストンの路地にたたずむ、エリフ・トムソンとGEのエンジニア、チャールズ・スタインメッツ
彼らは送配電システムを設計し米国の電化に貢献した(画像:スケネクタディ博物館)

Societe Alsacienne de Constructions Mecaniqueとトムソン・ヒューストン・エレクトリック・カンパニーは1928年に合併しました。そしてそれより以前、1892年にはトムソン・ヒューストン・カンパニーとエジソン・ゼネラル・エレクトリック・カンパニーとの合併で、GEが誕生しています。

アルストムとGEは今なお多くの絆で結ばれています。フランスのベルフォール市では、アルストムパワーとGEの工場が隣り合って並んでおり、カフェテリアを共有しているほどです。