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“産業の新時代”を切り拓く: GEの経営手法

GEは、景気のサイクルはチャンスをもたらしてくれるものだと捉えています。石油価格が下落している今も、それは同じこと。変動する世界情勢を味方に付けるべく、GEは中核のインフラストラクチャー事業に投資して業務の簡素化をはかり、インダストリアル・インターネットを介して機器や設備が連携し生産性を高める、産業の新時代を牽引しています。

GEのCEOを務めるジェフ・イメルトは、投資家の皆さまに毎年お送りする手紙に次のように記しています。「景気のサイクルを味方に付けるため、GEは他社が投資できない時期に投資し、見通しが不確実な時期にもそれを継続しています。景気に左右されることなく、石油会社やガス会社といった顧客企業にとって安定したパートナーとなる。そのために強固な財務基盤を活かし、当社は他社が関心を示さない時期にも投資を継続しているのです」

現在のGEの事業ポートフォリオには、最近の石油価格下落に見られるように社会に大きな混乱が起きたり、コモディティのスーパーサイクル(商品相場の価格上昇)が進む中においても成功を収められる強みがあります。「私たちは短期的な問題に振り回されることなく、攻めの姿勢を貫きます。例えば、同時多発テロ“9.11“の後に投資をやめて、航空機エンジン開発を中断していたら、その後の30年を無駄にしていたことでしょう。しかし、投資を継続したおかげで、GEと仏スネクマ社(サフラン・グループ)の同額出資合弁会社、CFMインターナショナル製のLEAPエンジンを生み出すことができ、LEAPは発売以来79%のマーケット・シェアを維持しています」とイメルトは話しています。(上図を参照)

同様に、米環境保護局(EPA)の新基準に基づいて設計された、Tier 4規制対応貨物機関車についても、GEは現在、この受注を受ける唯一の企業となっています。これも、競合企業が投資しない時期に積極的に投資を行ってきたことが実を結んでいます。

石油およびガス部門では、GEは海洋・海底掘削装置(製品ポートフォリオの約40%)から、コンプレッサー、パイプラインに石油を押し出すタービンや精製量を増加させるテクノロジー(製品ポートフォリオの約60%)へと事業の多角化を進めています。こうしたテクノロジーは海洋掘削装置とは異なり、景気変動の影響が大きくありません。

景気サイクルを味方に付けるGEの底力は、イメルトがインダストリアル・カンパニーとして選択と集中を行い、高付加価値を実現すべく、自社の立ち位置を見直したこの10年間に育まれました。この間、中核的なインフラストラクチャー事業には投資を行うとともに、競争力が不十分な事業については売却を進めました。昨年12月に投資家向けに発表した2015年度の展望でもイメルトは「インフラストラクチャーの事業モデルに適合しない産業分野からはすべて撤退しました。2016年までには、製造業による利益を75%超に引き上げる計画です」と述べています。

この方向性には金融業界のアナリスト達も同意。1月にロイヤル・バンク・オブ・カナダ(RBC)のディーン・ドレイは次のように言及しています。「GEは現在、かつてないほど多くの変化の渦中にあると当社は見ています。ジェフ・イメルトCEOは前任のジャック・ウェルチ時代から引き継がれた事業利益の半分以上を手放しました。この結果、GEが2016年までに製造業75%、金融業25%という事業ポートフォリオの転換を実現すれば、投資家のGEに対する認識、さらにはGEの評価額上昇への期待は一変すると考えています」

たとえば、2014年にはフランスのアルストム社のエネルギー事業と送配電事業の計画的買収、消費者金融部門のシンクロニー・ファイナンシャル社など中核事業ではない資産のスピンオフ、エレクトロラックス社に対する家電事業の売却合意など、重要な事業ポートフォリオの変更が行われました。

その結果、産業分野におけるGEの全事業が「社内のあらゆる資産を活用できるようになります。すなわち、テクノロジーやサービス、世界中の拠点、シンプルな組織・・・これらを合わせ私たちが『GEストア』と呼んでいるもの、そのすべてを利用可能になるのです」とイメルトは述べています。(上図を参照)

このポートフォリオの転換はすでに堅調な成果をあげており、昨年一年間のGE産業分野事業における内部利益成長率は7%に達しました。ちなみに、シーメンス社は2%、ハネウェル・インターナショナル社は3%、キャタピラー社は-1%。GEの利益率は引き続き向上する動きにあり、多くのアナリストが驚嘆を示しています。

イメルトは株主に向けた手紙の中で次のように記しています。「GEという企業は根底から変革を遂げ、私たちは新時代の産業の進歩をリードしていきます。変動的な環境下であっても、競争力を共有する一連の事業を通じて、GEは着実な成長、そして安定した配当を投資家にもたらしています」

詳細は、2014年度アニュアルレポート 日本語版をご覧ください。
※米国にて2月27日にリリースされたGEの2014年度アニュアルレポート 英語版はこちら