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次はIoT!モノのインターネットの時代へ

この20年間、インターネットやソフトウェアの恩恵を受けてこなかった製造業。
しかし時代は変わり、これからはモノのインターネット化が製造業の成功を掴む鍵になるかもしれません 。

いま私たちが身を置くのは、わずか10年後の未来も予測が難しい時代。人口動態や世界経済の変化はもとより、テクノロジーの進化のスピードを考えれば、なおさらです。

インターネットはその好例でしょう。今や日本国内では82.8%が利用している(「平成26年度版情報通信白書」より)インターネット。その関連ビジネスは、この10年近くの間に特にコンシューマー分野で爆発的な成長を遂げました。グーグル、アマゾン、アリババといった企業が産声をあげた当初、それらのインターネット企業が10年後にどれほどの成長を遂げるか、誰に想像ができたでしょう。音楽コンテンツ業界はといえば、インターネットによって完全に再編されてしまいました。いま世界で40億人もがインターネットを利用している事実は、10年前に多くのシンクタンクが打ち出した規模をはるかに上回っています。
・・・もし、これよりもさらに大きな変化の波が、これからの10年間に起こるとしたら?

「いま世界には、過去10年間のコンシューマー領域におけるインターネット市場より はるかに大きなチャンスが到来しています」――GEグローバル・ソフトウェアセンターの責任者を務めるビル・ルーは、7月末に東京で開催されたSoftBank World 2015において、こう指摘しました。「インダストリー(産業・製造業)領域はこの20年間、インターネットやソフトウェアの恩恵を受けてきませんでした。しかし、コンシューマー領域のインターネットの成熟でテクノロジーが進歩し、AI(人工知能)とアナリティクスが発展したことで、データの中からこれまでには考えられなかったようなインサイトを取り出すことが可能になっています。また、莫大なデータを効率的かつ低コストで集めたり分析することが可能になり、その結果、圧倒的なまでの生産性向上に繋げられるようになったのです」

インターネット新市場、2020年には2,250億ドル(約27兆6,750億円)規模に

昨今、ニュースなどで”第4次産業革命”といったフレーズで語られる『IoT(モノのインターネット化)』がまさにこれ。「なぜGEの人物がSoftBank Worldに登壇するのか、と不思議に思われる方もいるのでは?」と、ルーは冗談めかしてプレゼンテーションを始めましたが、GEでは産業機器がネットワーク化し、新たな価値を創造していくことを『インダストリアル・インターネット』と呼び、このハードウェアとソフトウェアの融合に向けて、近年積極的な投資を続けてきました。インターネットの世界の重点は、情報テクノロジー(IT)からオペレーショナル・テクノロジー(OT)へとシフトしています。ITの成功がコンピューティング技術やストレージ容量、ERPなどのビジネスアプリケーションにかかっていたのに対し、様々な機器・設備がインターネットに繋がることで成立するOTでは、データアナリティクス技術だけでなく機械技術やセンサーなどを用いたモニタリング技術、制御技術の発展がその成果を最大化させます。GEの会長を務めるジェフ・イメルトも「今日まで製造業分野でビジネスをしていた企業も、明日目覚めたらソフトウェア企業になっているかもしれない」と折に触れて語り、2020年には2,250億ドル(約27兆6,750億円)規模に拡大すると予測されるこの市場を見据え、いまGEは次の3つのポイントを重要視しています。

2020年までのインダストリアル・インターネット市場

1)機器の最適化
遠隔モニタリングを通じ、機器のメンテナンスを最適化。結果としてダウンタイムを最小化し、将来的には『壊れない機械』を実現していく。
2)オペレーションの最適化
素材の情報や、機器の状態、安全性のレポーティングといったデータをベースに、システムと人の生産性を向上していく。
3)プロセスの最適化
需要と共有をマッチさせることで、工場の生産サイクルやトランザクションを最適化。GEの提唱する『ブリリアント・ファクトリー』を実現していく。

だからこそ、ルーは「今後、製造業の企業が生き残っていくためには、ソフトウェア、テクノロジー、両方の能力を身につけなくてはならない」と言い、この3つの最適化のために重要なのがアプリケーション開発だと指摘します。

「コンシューマーの世界でのアプリは、購入して“ハッピーになる”ことができればそれでOKというもの。しかし、インダストリアル向けのビジネスではそうはいきません。求められるゴールは、重要な結果をもたらすこと、インフラの効率化を図ること、と明確です。裏を返せば、その目的を実現するアプリケーションを作ることができれば、劇的な財務上のメリットを享受することもできるのです」

そこでGEでは、「インダストリアル・アップ・ファクトリー」というアプリ開発部門を立ち上げ、自社開発したソフトウェアプラットフォーム「Predix」上で稼働するアプリを、90日間というサイクルで大規模に開発しています。そこでは、GEが経営に取り入れている『FastWorks』の考え方に沿って、まずはコンパクトに作り(=MVP:Minimum Viable Products|実用最小限の製品)、実際に顧客企業に使用してもらいながら継続的に付加価値を追加していく、というかたちで開発が進みます。

PREDIXソフトウェア・プラットフォーム

アプリ開発に際しては、「Predix」をオープンにすることで、顧客企業やパートナー企業との連携で様々なリソースを活用できるようにしています。ルーは、「このアプリ開発方法こそ未来の形」と語り、ソフトバンク株式会社(以下、ソフトバンク)をはじめ世界中の企業との協業で、インダストリアル・インターネットの活用を始めています。

多岐にわたるインダストリアル・パートナーシップ力

「すでに多くの産業がある日本は、この新しい“インダストリアル・インターネット市場”を拓くリーダーになり得ると考えています。だからこそ、この取り組みをスタートする最初の4ヶ国のひとつに日本を選びました。GEはこれから、インダストリアル・エコノミーの考え方を世界中に展開していきます。しかし、この革新的な、産業界の未来形を実現するためには、高品質な通信ネットワークが必要不可欠です。また、モビリティ、革新的なテクノロジーも必要になる。それを提供してくれるパートナーがソフトバンクだと考えているのです」

産業界では35兆ドル(約4,305兆円)を超える投資が毎年のよう行われています。世の中に存在する120億台の商用機器と170億台の産業機器がネットワークにつながることで、次の10年間に1兆ドル(約123兆円)の経済効果が生み出されるとGEは試算しています。いずれにせよ今後、『インダストリアル・インターネット』が世界経済を動かしていく大きな力となることは想像に難くありません。

「10年後どうなっているのか、それは私にも分かりません。でも、この可能性を考えると、毎朝ワクワクせずにはいられません」とビル・ルーは言います。この変化の時代にいかに戦略を立て、その波を掴むか。GEは、日本をはじめ世界中のパートナー企業とともに、インダストリアル・インターネットが切り拓く新しい時代を形作っていきたいと考えています。