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第4の産業革命、集まる「新プラットフォーム」への注目

インダストリアル・インターネット向けのアプリケーションの構築・運用する方法として、
プラットフォームをクラウドで提供する「PaaS(Platform-as-a-Service)」が注目されています 。

インダストリアル・インターネットやインダストリー4.0といった新しい体系が形作られようとしています。これからの時代に適した役割を果たすマシン・機器類とは、ソフトウェア・アプリケーションと連携してデータ送信したり、コマンド(指令)を受け取ったりできることが当たり前になります。

今、これらのアプリケーションの構築・運用の新しい方法として、プラットフォームをクラウドで提供する「PaaS(Platform-as-a-Service)」が注目されています。ディベロッパーが新たなソフトウェアを構築・展開する際のプラットフォームをクラウド内で提供するこのサービス、Transparency Market Researchによれば、クラウド・プラットフォーム市場の規模は今後5年にわたって年率25%で成長し、2020年までに80億ドルに達すると予測されています。

この成長の背後にあるのはもちろん、インダストリアル・インターネットやインダストリー4.0の急速な発達。GEが筆頭となってリードしているインダストリアル・インターネットは、PaaSや関連アプリケーションをベースに、航空、鉄道、病院、公共事業などに携わる企業が生産性を最適化するためのソリューションを提供します。そのPaaSの一例がCloud Foundry。大企業から零細企業まで様々なディベロッパーがインダストリアル・インターネット用のソリューションを生み出すべく、アイデアやソフトウェアを共有するオープンソースのプラットフォームです。今年5月に米国サンフランシスコで開催されたCloud Foundry Summit 2015は、前年比50%以上の増加となる1,500名を超えるディベロッパーが集まったことからも、この分野の活況が伺えます。

ガートナー・リサーチのバイスプレジデント兼リサーチ・フェロー、イェフィム・ナティス氏はPaaSクラウドプラットフォーム開発する上での主な課題は「ストリーミングデータを含む複数のソースからデータを取り込み、フィルタをかけ、データの品質を確認し、データの統合を行い、処理し、分析したうえで、発見した内容を配信しなくてはならないこと」と言います。「これはとても複雑です。デバイス分野とビジネス・アプリケーション分野とを仲介するためには極めて多くのことが必要になります。包括的で複数の機能を備えたサービス・プラットフォーム自体は、長期的には大企業が提供することになるでしょう」

“インダストリアル・インターネット・コンソーシアム”の創設メンバーにも、GE以外にインテル、シスコといった大企業が名を連ねています。GEはすでに2013年、AT&T、シスコ、インテルと提携し、無線、有線の接続性を拡張するために開発したプラットフォーム、「Predix」を公開しました。「GEは自社製ハードウェアのメンテナンス・サービスを通じて大きな収益を得ています。そうしたメンテナンスを効率的・生産的に行うために大量のセンサーを取り付け、そのセンサーから入ってくるデータを解析しているのです」とナティス氏が分析するとおり、この投資はすでに成果を上げています。GEでは既に40以上のアプリケーションが利用可能で、これによる2014年の追加収益は10億ドル近くに上りました。「この領域を完全にコントロールする企業はまだ現れていません」とナティス氏。その言葉のとおり、今、製造業企業から老舗のIT企業まで、この分野のリーダーシップを発揮しようと様々な企業が大きく投資しています。

このインダストリアル・インターネット向けPaaSの台頭によって、IT市場にさらなる激震が走ることになるでしょう。「IT企業はようやくモバイルによる改革の波を掌握したところ。その前はクラウドとソーシャルネットワークへの対応に追われていました。そして今、未知の新しい波が押し寄せつつあるのです。今後は、IT企業のなかの誰が市場のリーダーシップを握るのかが、少しずつ明確になっていくでしょう。例えば、GEはもともとソフトウェア事業を行っていたわけでもないのに、現在はマーケット・リーダーのひとつとなっています。逆に、これまでの大手IT企業の中には、この市場で戦っていく力を備えていないベンダーも存在しますからね」とナティス氏。

この数ヶ月の間にも、グーグル、NEC、富士通、インテル…、様々な企業がインダストリアル・インターネットに向けたプラットフォームを発表しているように、Paasの浸透・普及はいっそう加速する気配。いよいよ、産業界の全く新しい時代が始まろうとしています。