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エンパイアステートの稲妻:GEの科学者がニューヨーク摩天楼で雷の研究

雷雨や稲妻の発生は地球の創成期に始まり、生命誕生のきっかけになったという説さえ存在します。ところが45億年たった今でも、稲妻の原因や動きといった基本的なことを含み、その仕組みについて私たちはほとんど理解できていないのです。推定で毎秒100本の稲妻が地球の表面で発生し、それぞれが1億~10億ボルト程であるということを考えると、心穏やかではいられません。(比較対象として、米国の電源プラグの電圧は110ボルト、ヨーロッパでは220ボルトです。)そのエネルギーは、数百万分の1秒で華氏50,000度(摂氏27,760度)に達するほどです。

米国海洋大気庁は、アメリカで80歳まで生活した場合、稲妻に打たれる可能性が3,000分の1あると推定しています。(ちなみに、アメリカの宝くじ「パワーボール」を当てる確率は292,000,000分の1です。)事実、アメリカ国内では年間平均30人が稲妻に打たれて亡くなっています。1920年代、GEは稲妻研究のためにマサチューセッツ州ピッツフィールドに高電圧工学研究所を設立しました。研究内容には、ニューヨーク市のエンパイア・ステート・ビルディングの102階の1室から稲妻現象を調査するという「特殊プロジェクト」が含まれていました(以下の動画をご覧ください)。エンパイア・ステート・ビルディングは、現在も毎年100回程の落雷に打たれます。

ニューヨーク州スケネクタディにある科学技術博物館でGEの歴史的文献を管理するクリス・ハンター氏によると、GEは1922年に、管理された実験室内で落雷と電力サージが電気系統に及ぼす影響について世界で初めて研究を行うため、100万ボルトの雷発生器を作りました。その歴史を振り返ってみましょう。

1939年~1940年のニューヨーク万国博覧会でGEの技術者が屋内型雷発生器の試験を行う様子。ニューヨーク公共図書館の公文書保管所の画像をケビン・ウィアー(プロジェクト名:Flux Machine)が再現。

GEの1951年度事業報告書の表紙には、高電圧工学研究所の外観写真が記載。画像:スケネクタディ科学技術博物館

エンパイア・ステート・ビルディングの屋上で稲妻を研究するチームは、チャールズ・バーノン・ボーイズが開発した初期のハイスピードカメラを使用して雷を撮影。下部:作業内容の説明資料。画像:スケネクタディ科学技術博物館

GEは、管理された実験室内で落雷と電力サージが電気系統に及ぼす影響について世界初の研究を行うため、100万ボルトの雷発生器を製作。画像:スケネクタディ科学技術博物館。

米国の発明家トーマス・エジソンと電気工学者チャールズ・スタインメッツ氏が、スタインメッツ作製の雷発生器の雷に打たれた絶縁体の破片を調べる様子。画像:スケネクタディ科学技術博物館

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