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新しい働き方 「SmartWork@GE」 ― 明日の自分を創る

働き方改革、みなさんの企業ではどんな取り組みをしていますか?
長時間残業の抑止、テレワークの推進、有休取得推進、生産性向上のための取り組み・・・、日本の働き方も少しずつ変化してきているようですね。

GEでも「SmartWork@GE」と銘打って、日本の社員たちの働く意識とその方法を変革するためのイニシアチブを推進しています。これは、経営戦略上の変革をやり遂げるためのカルチャー・チェンジの一環であり、同時に、時代が求める“働き方改革”でもあります。私たちはこのイニシアチブを通じて、チームの信頼や連携を高めながら、主体的に、そして本当に大切なことにフォーカスする仕事のしかたを追求します。仕事と人生の充実を図ってポジティブかつ生産性高く働き、お客様へいっそう優れた価値を届けられる集団になることを目指しています。

 

「あたりまえ」を疑え。SmartWorkとは?

成果をあげるためにはハードワークがあたりまえ、というのがこれまでのワークスタイル。経営上のゴールや方向性を明確に描くことのできる時代背景があったからです。時間を投じて改善を積み重ねれば、ゴール到達を目指せる時代でした。しかし、現在の世界はどうでしょう?次々に生まれる奇想天外なビジネスモデルが市場を席巻し、世界は変化の勢いを増す一方。市場予測はおろか目標設定さえ容易ではありません。急激な環境変化によって、打ち立てた目標が意味を成さなくなる、という状況さえ起きています。

これからの時代は改善だけではなく「改革」、イノベーションで変革を起こす必要があるのです。それは働き方も同じこと。あたりまえという思い込みを疑って、見直してみる。時間を費やすのではなく、新しいアイデアを取り入れ生産性を上げて時間をつくる。そうして生まれた時間を自分の成長や休息にあてる。そうした働き方を、わたしたちは「SmartWork」と名付けました。

では、どうすれば、働き方を一新し、イノベーションを起こせる体質になっていけるのでしょう?
今月GEジャパンが開催した社員向けイベント「SmartWork@GE―明日の自分を創る」にお招きした、二人のゲストスピーカーから得たヒントをご紹介します。

「幸福を構成する4つの因子」 ― 慶応義塾大学 前野隆司教授

「働き方改革は時短に偏りがち。でも問題は、働く時間の質をあげることです」
慶應義塾大学大学院 システムデザイン・マネジメント研究科教授
前野隆司 氏 (著書に「幸せのメカニズム 実践・幸福学入門」など)


長きにわたってヒューマンロボットの研究を続けてきた、ロボット工学者である前野教授。やがて人間の心に関心をもち、認知心理学や脳科学、哲学などにも領域を広げ、文理を超えて「幸福学」を研究しています。そんな前野教授が探し当てたのが、幸せの4つの因子。

前野教授が挙げる 「幸せの4つの因子」
第1因子:やってみよう(個人のあり方)
      夢や目標を達成した人、自己肯定感、強み、成長。ドーパミンが出る
第2因子:ありがとう(関係性の質)
      感謝、利他、許容、承認、信頼、尊敬、自己有用感
第3因子:なんとかなる(個人のあり方)
      前向き、楽観性、自己受容
第4因子:ありのままに(個人のあり方)
      独立、自分らしさ

企業に照らしてみると、これらを満たす幸せな社員は、創造性・パフォーマンスが高く、健康で長寿。利他的で離職しにくく、組織を活かす傾向があるとか。また「従業員満足度よりも、従業員幸福度の方が企業のパフォーマンスに影響するんです」と、前野教授。部分的な満足を示す従業員満足度に対して、従業員幸福度は、その企業に属し働くことのすべてに関わるものだからです。

前野教授によれば「働くなかで幸せになるには、幸せのゾーンに入ること」。つまり、自分の能力とタスクの難易度のバランスが大切だということ。能力に対してタスクが高度すぎればストレスや自身喪失に、容易すぎれば退屈や不満を感じてしまいます。双方のバランスが取れている、あるいは難度が能力を少し上回るものの頑張れば達成できそうな、ストレッチがかかった状態で働くことが「幸せ」をもっとも感じやすいのだとか。「リスクテイクしながらも、本当にやりたいことをやっている人は幸せ」との論に、納得感をもって具体像を思い描ける人も多いのでは!?組織なら、チームとともにチャレンジングな目標に前向きな姿勢で取り組んでいるときに最も幸せを感じられ、そのことが個人の成長や生産性の向上につながると教授は言います。

前野教授によると、平均的には大企業のほうが幸福度が高い傾向にあるものの、幸福度が極めて高い企業をみるとその規模は従業員数600人以下が多いとか。社長や上司の“想い”が伝播しやすいことが、その理由です。大企業はブロック化され部署によって幸福度が異なる傾向があるため、小さいチーム単位で幸せにする必要がある、とのこと。経営層やマネージャーは、一人ひとりへのジョブ・アサイメントを工夫するだけでなく、個人の“頑張り”を応援しサポートし合える風土や、前向きな姿勢を促す楽観的な雰囲気の醸成にも注力する必要がありそうです。

「Learn×Unlearn」 ― ピョートル・フェリークス・グジバチ氏

Googleで人材育成と組織開発に携わってきたピョートル・フェリークス・グジバチ氏は、「最強な働き方」について、学ぶ姿勢と周囲の環境が重要だと強調します。

ピョートル・フェリークス・グジバチ 氏
(著書に「世界一速く結果を出す人は、なぜ、メールを使わないのか
グーグルの個人・チームで成果を上げる方法」など)


「知能、服従、勤勉さといったものが機能した過去の時代とは異なり、いまの時代の競争が求めるのは情熱、創造性、率先といったもの」と語るピョートル氏。ポイントは、新しいやり方を素早く学習する(=Learn)だけでなく、時代遅れのやり方を忘れる(=Unlearn, ピョートル氏曰く“学びほぐす”)ことだと言います。

そのためには、職場における「心理的な安全性」と「ラーニング・アジリティ&成長志向」が欠かせない、とグジバチ氏。心理的安全性とはネガティブなプレッシャーがなく自分らしく過ごせる状態で、同僚とお互いを高め合うことができ建設的な意見の対立が奨励される状態にあること。ラーニング・アジリティは、難度が高く学びの多い仕事を積極的に引き受け、学んだことをすばやく活かす姿勢。そして、常に学習しようとする成長志向がその下支えになる、とグジバチ氏は説明します。そのうえで「ビジネスに対するインパクトと自分にとっての学び、その両方が多いものに時間を充てるべき」と言います。

ビジネスへのインパクトと学びのマトリックス
資料提供:ピョートル・フェリークス・グジバチ 氏


前野教授、グジバチ氏、両氏の論はまさにいま進む「働き方改革」を表層的で一過的なものに留めず本質的な変革にするために、重要なポイントを射ています。働くなかで自分らしく過ごすことができ、自己と他者を肯定しながら前向きなチャレンジができること。チームや個人をエンパワーし、学ぶ喜びや成長の機会を提供できる組織をつくること。働き方改革のムーブメントを、企業を支える尊い存在である「働く個人」にとって価値あるものにしていきたいものです。