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政策の先を走る!? 「再生可能エネルギー」をめぐる世界の動き

特にこの10年、水力発電や風力発電、太陽光発電、地熱発電、バイオ発電、さらに新しい技術まで、再生可能エネルギーに関するテクノロジーは急速な発展を遂げました。

2005年以降、再生可能エネルギーの発電能力は世界全体で870GW(ギガワット)増加し、国際再生可能エネルギー機関(IRENA)のデータによれば、2014年だけで水力37GW、風力51GW、太陽光40GWの発電施設が建設されました。2014年の再生可能エネルギーによる発電量は合計で毎時5,500テラワット(TW/h)、今や再生可能エネルギーは天然ガスを抜いて第2位の発電エネルギー源です(第1位は石炭)。

また、再生可能エネルギー発電への新規投資は化石燃料発電への投資を上回り、再生可能エネルギー発電への世界の新規投資は、2014年に前年比で17%増の2,700億ドルに達しました(水力発電を除く)。

こうして大きく成長を遂げようとしている再生可能エネルギーの将来についてどう考えていくべきか、今回はGEの環境関連イニシアチブ“ecomagination(エコマジネーション)”のストラテジー&アナリティクス・ディレクターを務めるブランドン・オーウェンスと、GEリニューアブル・エナジーのストラテジック・マーケティング・リーダーを務めるティボー・デスクリーの2人に、私見を語ってもらいました。

ブランドン・オーウェンスとティボー・デスクリー

左:ecomagination ストラテジー&アナリティクス・ディレクター ブランドン・オーウェンス
右:GEリニューアブル・エナジー グローバル・ストラテジック・マーケティング・リーダー ティボー・デスクリー

再生可能エネルギー発電の成長の背景には、いくつかの要因があります。まず、世界的な電力需要の増加。GEの推計では、世界の発電量は2005年から2014年までに16,800TWhから21,900TWhへと増加し、これに対応するため約2,000GWに相当する発電施設が建設され、あらゆる発電技術が拡大してきました。

2番目に、気候変動への懸念や自国のエネルギー安全保障の強化、経済発展の願望から、世界中で多くの再生可能エネルギー支援政策の実現が進められました。

3番目の、最も重要な要因が、再生可能エネルギー発電技術のコスト競争力、「商用電力網との適合性」―即ち電力システムとの互換性が向上した点です。ブルームバーグ・ニュー・エナジー・ファイナンスによれば、陸上風力発電の均等化発電原価(LCOE)は2009年以降15%低下し、世界中の多くの管轄区域において風力発電が最も安価な発電源となりました。最もコストダウンしたのは、2009年以降53%のコスト削減が達成された太陽光発電(PV)技術です。風力や太陽光発電の“変動性”の影響を軽減するエネルギー貯蔵技術を組み込んだ新しい技術と、再生可能エネルギー発電システムの完全な最適化を図るデジタル技術の追加により、今後も再生可能エネルギーのコストは下がり、商用電力網へと組み込まれていくでしょう。

今後は、ビジネス・イノベーションとスマート再生可能エネルギー政策との組合せにより、再生可能エネルギーへの多額投資や容量、発電量の拡大が続いていくでしょう。GEは、2015年から2020年にかけて、再生可能エネルギーによる発電量は新たに730GW増加すると推計しています。その結果、非水力系再生可能エネルギー発電技術がないと想定した場合に比べ、発電から生じるCO2排出量は2020年には最大13%削減されます。

もちろん、課題がないわけでありません。まず必要とされるのが電力計画の調整。また、システムの柔軟性や電力アクセスの拡大を確実に実現し、システムの運転効率を向上させるルール作りが必要です。変動性の再生可能エネルギーに高いレベルで対応するには、電力システムの需要側・供給側、両方の技術がより柔軟なものになることも必要です。また、風力や日照の予測技術の向上、コスト競争力の高いエネルギー貯蔵ソリューションといった技術革新が、再生可能エネルギーの予測力を高め、、変動性の確実な管理を可能にします。電力網全体の制御・調整力を向上させるためには、インダストリアル・インターネットを最大限に活用することも重要です。

GEは、技術革新とビジネス・モデル革新を通じて、こうした課題をチャンスに変えることができると考えています。GEでは、エコマジネーションへの積極的取組によってこうした革新を加速してきました。デジタル・ウィンド・ファームやインダストリアル・インターネットといった革新技術は、世界のエネルギー・システム全体における資源生産性を可能な限り高めるよう、物理的因子とデジタル因子を融合させることに成功しました。

近い将来、再生可能エネルギーが発電エネルギー源第1位になるのは間違いなく、2010年代が終わる頃には、世界全体の新規発電容量の50%以上が再生可能エネルギーによるものとなっているでしょう。その時に向け、GEは各方面と連携し、再生可能エネルギーの技術革新を促進し、新しいソリューションを造り出し、地球や人、世界経済のための持続可能な電力システムを構築するために今後も尽力していきます。