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石炭に生命を吹き込むハイテクタービン

ポーランドで建設中のオストロレカC発電所は、EU加盟国で建設される最後の石炭火力発電所になるかもしれません。けれども、それはこの技術に未来がないということではありません。

ワルシャワの北に位置するこの発電所は、従来の石炭火力発電所よりもずっとクリーンで効率的なものになります。。これはポーランドのエネルギー構成の変化を支え、太陽光発電と風力発電の出力変動を調整するのに十分な機動力を有しています。また、石炭火力発電所が過去の非効率なものではなく、依然として世界のエネルギー業界において重要な発電システムであることを示すことができるでしょう。

「今日の石炭火力発電所は、15年前の石炭火力発電所とは全く別物です」と、オストロレカC発電所を建設するGEスティームパワー事業部コマーシャルリーダー、マイケル・ケローレは述べています。「GEの石炭火力発電所は、効率性と柔軟性に優れ、そのCO2排出量はガス火力発電所と同程度と、これまでよりクリーンになっています。石炭に対する過剰な抵抗さえなければ、私たちは石炭を活かし、世界に素晴らしい貢献ができるでしょう」

工費60億ズウォティ(約15億ドル)を投じたオストロレカC工場が2023年に稼働すれば、1,000メガワットの発電能力で30万世帯に電力を供給できるようになります。ボイラや蒸気タービンなどの、いわゆる超々臨界圧設備を利用することによって、平均的な石炭火力発電所と比較した時、その発電効率を3分の1以上改善し33%から46%に高めることができます。

1980年代以降技術者たちは、超高温・超高圧力下での蒸気や金属の挙動について何十年も研究してきました。このような条件では蒸気は超臨界流体(技術名の由来)となり、液体と気体両方の特性を同時に携えて挙動し、タービンを超効率的に回転させます。

現在GE スティームパワーの最新のボイラとタービンは、特殊な合金鋼を使用すること、蒸気温度600°C、圧力300バール (4,350ポンド/平方インチ) 以上での運転を可能にしています。この力は弾丸が固体金属片に当たるのとほぼ同じ力です。

これらの特性により、事業者はより多くの熱エネルギーを電力に変換し、石炭火力発電所における世界平均よりも20%以上高効率的な発電所運転させるができます。この数値はいかに燃料を効率的に熱に変換できるかを示すものです。

最上部と上部:GEは最近、マレーシアに超々臨界圧発電所を建設。 GE スティームパワーの最新のボイラとタービンは、特殊な合金鋼を使用することにより、蒸気温度600°C、圧力300バール (4,350ポンド/平方インチ) 以上での運転を可能にしています。この力は弾丸が固体金属片に当たるのとほぼ同じ力です。画像提供:GE Steam Power

 

GEの技術を取り入れたドイツのカールスルーエにあるRDK8発電所は、2015年、912メガワットの発電能力で正味熱効率47.5%という世界最高記録を打ち出しました。この発電所を町の蒸気暖房システムに接続することで、燃料効率を60%まで高めることができ、これはガス燃焼複合サイクル発電所の世界最高記録にほぼ匹敵します。(この記録もまたGEの設備によって達成され、 62.22%を記録しています)

誇示するわけではありませんが、高効率であれば燃料もCO2排出量も少なくてすむのです。オストロレカCの効率性は46%に達すると見込まれます。これは地元ポーランド産の石炭特性に照らした時に可能な最高値で、欧州全体の中でも最高の効率水準です。これにより、発電量1メガワット当たりのCO2排出量を、世界平均から26%削減することができます。また、発電所はEUの厳しい基準を満たすために、排ガスから硫黄や窒素酸化物、煤塵までを、最新の排ガス制御技術で除去します。

しかし、ボイラや環境設備の他にも革新があります。 この発電所は豊富な石炭に対してガスに乏しいポーランドに安定的な電力を供給するだけでなく、変動する風力発電や太陽光発電による電力供給の変化にも迅速かつ柔軟性を持って対応できます。風が弱まったり太陽が沈んだりした時には、発電所の事業者である電力会社EnergaとEneaがより多くの再生可能エネルギーを送電網に送り込めるようにできるのです。

その理由は、例えば風力発電所からの電力が途絶えた時、GEの設計によってオペレーターは30分以内に発電所をフルスピード (業界用語では負荷) に稼働させることができ、電力会社が発電量を増やせるからです。ケローレによれば、この発電所には330基の風力タービン、または2万基のソーラーパネルを支えるのに十分な容量があるとのことです。

「熱を蓄え、熱慣性を利用して通常のベースロード発電所よりも速く出力を上昇させることができるように、設備の一部を大型化しました」と彼は述べています。

同発電所はまた、1オンス(28.3 g)の石炭から最大の電力を引き出すために、ソフトウェアと分析技術も活用しています。例えば、蒸気タービンは、加熱や冷却されるにつれて、微細に膨張および収縮しますが、一昔前は、エンジニアは加熱および冷却プロセスに関して、経験的データに基づく図表を活用して材料にかかる危険な応力を回避していました。「今日では、リアルタイムのデータを使用して、危険領域に入ることなく最大許容応力に近づけています」とケローレは述べています。

既に報じられたように、たとえオストロレカCがポーランドに建設される最後の石炭火力発電所となるとしても、石炭が豊富な一方でガスの大半を海外から輸入している欧州と同様に、中東、アジア、そしてアフリカにおいて、超々臨界圧技術のニーズがあるとGEは見込んでいます。同社はポーランドで他にも同様のプロジェクトを進めており、オポーレにある1,800メガワットの発電所は今月最初のブロックが送電線と同期したばかりです。また、隣のチェコ共和国では超々臨界圧発電所を完成させました。さらに、アラブ首長国連邦やパキスタンマレーシア、エジプトなどの東の地域では、工場建設を受託したり建設を開始したりしています。

「中東はエネルギー供給の多角化について非常に意欲的です」とケローレは述べています。「ドバイは、この地域の多くの場所と同様、近隣諸国からのガス輸入に全面的に依存しています。私たちが彼らに最新の石炭発電の利点を説明したところ、彼らは大変喜んでいました」

 

GEの技術を取り入れたドイツのカールスルーエにあるRDK8発電所は、2015年、912メガワットの発電能力で正味熱効率47.5%という世界最高記録を打ち出した。この発電所を町の蒸気暖房システムに接続することで、燃料効率を60%まで高めることができ、これはガス燃焼複合サイクル発電所の世界最高記録にほぼ匹敵する。画像提供:GE Steam Power

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