ロゴ

Unimpossible Missions – GEの科学者が挑戦 「雪玉は地獄の業火でもその姿を保てるか?」

2月11日は、GEの創始者でもあるトーマス・エジソンの誕生日でした。
この日は故レーガン大統領によって「発明家の日」と定められたため、米国では毎年、様々な科学関連のイベントが開催されます。GEは今年の記念日を“不可能と思われてきたミッションに挑戦”することで祝福し、それが不可能ではないことを証明する動画を公開することにしました。

選んだミッションは3つ。英語圏で「そんなの、不可能だろ!」と言うとき、よく用いられる比喩表現にちなんだものです。今回ご紹介するのはそのうちの1つ目「そんなの不可能だろ。雪玉が地獄の炎のなかで凍り続ける可能性みたいなものさ!」というときの不可能に挑むミッションです。

Mission #1:Snowball’s Chance in Hell 「雪玉が地獄の炎で生き残る見込み」

このミッションに挑んだチームの一員、スティーブ・ブレッシュはニューヨーク州ニスカユナにあるGEの研究所、GEグローバル・リサーチでプロセシングエンジニアとして働いています。GEに10年在籍し、原子炉から医療用画像診断装置に至るまで、あらゆる業務に携わってきました。GE REPORTSはスティーブの話を聞きました。

Unimpossible Missions
雪玉が地獄の炎で生き残る見込み (Snowball’s Chance in Hell)

GE REPORTS:ミッションは灼熱に投げ入れた雪玉を奪還することでしたね。どうやって実現したんですか?

スティーブ・ブレッシュ(以下、スティーブ):物質科学者、機械エンジニア、物理学者に加え、複数の化学者とも協力し合いました。仲間の多くはジェットエンジン事業やガスタービン事業に携わってきた者たちですが、オイル&ガス事業やヘルスケア事業、照明事業に従事する者もいました。医療分野のメンバーはX線ターゲットとなる耐熱材料の開発に携わっているので、その洞察は大いに役に立ちましたよ。

GE REPORTS:挑戦にあたって、まずなにから始めたんですか?

スティーブ:雪玉と断熱材を入れる外容器についてはすぐに意見がまとまりました。私たちが注目したのはニッケル基超合金。通常はガスタービンのシュラウドやシールドの製造に使用され、1,300℃もの高温に耐えることができます。外容器の側面の厚みは約3.2ミリとし、通常はジェットエンジンなどの表面に使用されるアルミノケイ酸塩でできた厚さ約5.1センチの繊維断熱材を裏張りしました。

GE REPORTS:雪が溶けるのを防ぐには、これで十分なんですか?

スティーブ:いえ、これだけじゃありません。容器内にはドライアイスを詰め、3Dプリンターで作成した真ん中から2つに割れるプラスチックの球体ケースを設置して、その中に雪玉を入れました。我々は、これで容器外部の温度である1,100℃から容器内部のマイナス100℃まで温度を下げることが可能だと試算したんです。

GE REPORTS:球体ケースには普通のプラスチックを?

スティーブ:ええ。MakerBot社(米3Dプリンターメーカー)の3Dプリンターで一般的に使用されるプラスチックと同じ、ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン)樹脂を使いました。球体ケースに求められる機能は雪玉が壊れるのを防ぐことです。断熱材は毛布に似ているのですが、これもまた雪玉が壊れるのを防ぐのに役立ちます。

GE REPORTS:一番苦労したのはどこでしたか?

スティーブ:約22.7キロもの重さの外容器が溶融金属とどのような反応を起こすのか、そこで持ちこたえることができるのか・・・まったく分からなかったことです。実験の舞台となった製鉄所は僻地にあったので、外容器を投入するスラグ(鉱滓:煮えたぎる鉱物のようなもの)の温度を測定する機会は持ち込むことができませんでした。そこで、コバルト合金製のケージを作って対応しました。また、外容器をスラグよりも軽くして浮きやすくし、溶融スラグの中で持ちこたえさせる必要がありました。

GE REPORTS:外容器を開けた時、どうなっていましたか?

スティーブ:いやあ、外容器が冷えるのを待つ時間が永遠のように感じられて。明けてみるとドライアイスは多少溶けていて、外容器の外側にはスラグと酸化物の層がありましたが、雪玉はそっくりそのまま残っていました。みんな大喜びでしたよ。研究所で作業するときには、想定の範囲内でしか失敗しません。平和な失敗ですよね。でも、今回は安全地帯から飛び出したんです。

GE REPORTS:このプロジェクトから個人的に得たものは、ありましたか?

スティーブ:僕が担当したのは外容器の作成とテスト、そして断熱手段を考案することでした。プロジェクトはほんの数週間だったのに、成功させられたのは驚きでした。これこそGEストア(全事業部門が技術や知力を共有する仕組み)の威力です。GEにはさまざまな分野の専門家が大勢いて、その知識や経験を持ち寄って活用することができるんです。それを目の当たりにしました。