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GE製ヘルメット型のウェアラブル 医療機器

人間の体の中でまだ解明がほとんど進んでいない脳の世界。
新しく研究が進んでいるGEのヘルメット型のウェアラブル医療機器が、その脳の解明に飛躍的な進歩をもたらすかもしれません。
GE製ヘルメット型の医療機器をご紹介します 。

来月発売の「Apple Watch」をはじめ、世界中でウェアラブル端末の話題が花盛りですね。GEでも、新しい“ウェアラブル”端末の研究開発が進んでいます。このヘルメット型のウェアラブル医療機器が脳の高解像度画像を細胞レベルに至るまで子細に描出してくれるので、医師は脳の様子をじっくり診察することができます。もちろん持ち運びも可能ですし、患者さんは画像描出中も動くことができるので、医師は脳の運動活性を研究することができるようになると期待されています。

「この取り組みが成功すれば、正常時と異常時、両方の状態の脳機能を詳細に把握できるようになります。画像診断技術の歴史でも記録的な一歩になるような、大きな進歩です」GEグローバル・リサーチで診断/バイオメディカル・テクノロジー分野のディレクターを務めるナディーム・イスハークは話します。

このプロジェクトは、2013年4月に米オバマ大統領が提唱した「ブレイン・イニシアチブ(脳活動解明計画)」の一環としてスタートしました。脳の画像化および脳機能の研究のための新たな手法を開発するとともに、最終的にはアルツハイマー型認知症、自閉症、脳振とうといった脳疾患や脳障害の発見・治療・予防を目的としています。

しかし 「ヒトの脳は、人知の範囲の中でも最も複雑な生物学的構造をもっています。正常時の脳の働きについて分かっていることはまだ僅かで、脳障害や脳疾患により機能不全に陥った脳の解明となると、残念ながらほとんど進んでいないのが現状です」と米国立衛生研究所(NIH)所長のフランシス・S・コリンズ氏が語るように、脳研究にはまだまだ長い道のりがあります。NIHは昨年9月、GEのほか、グーグル社、シモンズ財団、米国防総省国防高等研究計画局(DARPA)、米食品医薬品局(FDA)など「人間の脳の解明を劇的に進展させる」プログラムに携わる企業、大学、財団、連邦政府機関に対し、4,600万ドルを拠出することを発表し、研究進展を後押ししています。

「ヘルメット」型PETスキャナー

「ヘルメット」型PETスキャナーは、シリコン光電子増倍管と呼ばれる
新タイプの検出器(写真右部)を使用。
被験者の頭部にフィットする軽量で高感度のスキャナーに。
写真左は現在PETスキャナーで使用されている大型検出器

“ヘルメット”開発を通じて広がる、PETのさらなる可能性

この“ヘルメット”の開発は、GEとウェストバージニア大学、ワシントン大学、カリフォルニア大学デービス校とのパートナーシップで進められています。陽電子放射断層撮影装置(PET)を利用したこの端末では、個々の細胞レベルに至るまで、異常タンパク質やその他の神経疾患の兆候を検出することが可能になります。「既存の画像技術では、脳の働きを知るうえで重要なニューロン種やグリア細胞の多くをまだ検出できていません。この、開発中の“ヘルメット”は、脳回路や脳内ネットワークの働き、仕組みを解明するうえで大いに役立つはずです」とイスハークは言います。

PETとは体の機能がどう働いているかを撮影するもので、骨や臓器の物理的構造を撮影するX線スキャナーやMRI(磁気共鳴断層撮影装置)とは異なります。PET診断では、医師はまず患者さんに特殊なトレーサー分子を注射し、標的組織に届けます。そしてトレーサーに含まれる放射性同位元素のシグナルを読み取りながらその分布を測定します。「分裂を繰り返すがん細胞は、こうした方法で発見しているんです」――GEグローバル・リサーチ・センターでファンクショナル・イメージング研究室を率いるラヴィンドラ・マンジェシュワーがこう言うように、PETはこれまで主にがんの転移やがん治療の反応を観察する目的で使われてきました。

しかしGEの科学者たちは、脳振とうを起こした際に生じる神経炎症やアルツハイマー型認知症に付随するとみられる“アミロイド斑”および“タウタンパク質”に的を絞った、新タイプのトレーサーを開発しました。これによりPETの活用範囲が大幅に広がっていくことが期待されます。

チームは、“ヘルメット”型の高感度ハードウェアとソフトウェアの両方を駆使して、患者さんへのトレーサー投与量を減らそうと考えています。「被ばく量をアメリカ横断の航空便に乗るのと同等レベルまで低減しながらも、高画像イメージを撮ることができるようになるはずです」とイスハークは話しています。

マンジェシュワーも、GEがリードするこの新しい研究が、脳の解明に「飛躍的な進歩」をもたらすことを期待しています。「脳の解明はまだほとんど進んでいません。でも、この技術が実用可能になれば、分子感度は桁違いに向上する可能性がありますからね」

GEは6つの研究注力分野のひとつに「脳の解明」を挙げており、脳疾患克服への貢献を目指してさまざまな研究開発を進めています。