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GE照明と野球の「ナイター試合」誕生秘話

いまや当たり前ともいえる野球のナイター試合。そこにGEが深く関わっていることをご存知でしたか?
車両基地用の照明のアイデアから始まったGEライティング(照明)とナイトゲームの関係をご覧ください 。

日本プロ野球は3月27日に、メジャーリーグも4月6日に開幕し、野球ファンにとっては待ちに待った球春到来ですね。まだナイター観戦には肌寒い季節ですが、カクテル光線に照らされたスタジアムで ビールを飲みながら観戦する楽しみ、たまりませんよね。今や当たり前とも言えるこの“ナイター試合”の光景、その発祥にはGEが関係しているんですよ。

ベースボール発祥の地アメリカではかつて、野球は太陽の下でプレーするもの、というのが常識でした。平日のデイゲームはみんな仕事をしているのでスタンドはガラガラ。1920年代には当たり前だった、その常識をひっくり返す「逆転ホームラン」を放ったのが、GEの照明部門で働いていたロバート・J・スワックハーマーです。

とはいえ、スワックハーマーも最初から野球のことを考えて仕事をしていたわけではありません。彼の頭の中にあったのは貨物列車。1920年代当時、ある鉄道会社から「夜間に列車を置いている車両基地を照らせるような電球を作れないか」と要請されていたのです。

このリクエストに応じて屋外用の高出力電球を開発したスワックハーマーは、マサチューセッツ州にあったGEの運動競技場で照明テストを行いました。そのうえ「夜間にベースボールの試合をしては」と、上司を説得します。それが、1927年6月24日に行われたベースボール史上初のナイトゲームになった、というわけ。計72個のフラッドランプを使用した5つの野外照明設備の下、7対2でセーラムがリンに勝利したこの試合。スタンドを埋め尽くした観客の中には、同じ日の日中にボストンで登板していたボストン・レッドソックスやワシントン・アメリカンズの選手の姿も見受けられたほど、注目を集めました。そして、GEのセールスチームはこの光景にビジネスチャンスを見いだします。

野球の初ナイター試合

初のナイター試合は1927年6月24日
マサチューセッツ州リンにあるGEの運動競技場で開催され、
7対2でセーラムがリンに勝利

しかし、チーム側は当初、ナイトゲームに対して一様に強い反発を見せました。のちに、スワックハーマーは当時を思い出して「1930年かな、デモインのマイナーリーグの球場に照明設備を初めて設置した時 “じきにメジャーリーグでも使用されるようになりますよ”と話したら、郡保安官に突き出されそうになったこともありました」と話しています。当時のニューヨーク・ジャイアンツの監督、ジョン・マグローも、「メジャーリーグにもナイトゲームを導入しようする試みがあるようだが、慎重に議論しなくてはいけない」と、暗にナイトゲーム導入に反対を唱えたほどでした。

GE競技場のスタンドを埋め尽くした観客

リンの運動競技場のスタンドを埋め尽くした観客の中には
“イノベーション”を見ようと はるばるやってきた
ボストン・レッドソックスやワシントン・アメリカンズの選手の姿も。

こうした事情で、ナイトゲーム用の照明を導入したのは数年かかってもマイナーリーグの数球団程度。ナイトゲームは遅々として普及しませんでした。そんな中、一石を投じたのがシンシナティ・レッズ。

当時レッズは平日の平均観客動員数は3,000人を切る不振ぶりで倒産の危機に瀕していたのです。オーナーのパウエル・クロスリー氏とゼネラルマネジャーのリーランド・”ラリー”・マクフェイル氏は、そんな球団の生き残りを賭けて、GEの照明設備に5万ドル(現在の通貨価値で1億円以上)を投資することを決めたのです。

GE運動競技場の照明配置図

スワックハーマーが作成した、リンのGE運動競技場の照明配置図

そして1935年5月24日(金)、レッズの本拠地クロスリー・フィールドでメジャーリーグ史上初のナイトゲームが開催されました。このレッズとフィラデルフィア・フィリーズの記念すべきゲームは2万人の観客を動員し、結果は2対1でレッズが勝利。最小点差の辛勝ながら、レッズはこのゲームで野球界に革命を起こしたのです。

この試合を実況したシンシナティのアナウンサー、レッド・バーバー氏は、「照明設備が点灯するのを見た瞬間、この先もナイトゲームは開催されると確信しましたね」と、そのゲームを振り返ります。

ファンの評判も上々でした。レッズはこの年、計7つのナイトゲームを行いましたが、1試合の観客は平均1万8,500人、合計で13万人もの観客を動員しました。

GEの照明とシンシナティ・レッズのパウエル・クロスリー氏

シンシナティ・レッズのオーナーのパウエル・クロスリー氏
本拠地クロスリー・フィールドにメジャーリーグ初のナイター照明を設置することを決めた

レッズの成功を見た他のチームもすぐに追随し、1941年にはメジャーリーグ16チームのうち、ニューヨーク・ヤンキースやブルックリン・ドジャースを含む11チームがGE製の照明設備を導入。ナイトゲーム導入に警鐘を鳴らしていたジャイアンツまでもが照明設備の導入を決めました。

車両基地用のアイディアからスタートしたスワックハーマーの努力はナイター試合の普及につながり、今なお世界中の野球ファンを楽しませています。

GE照明が設置されたレッズのナイトゲーム

レッズは1935年にナイトゲーム7試合を実施
1試合平均1万8,500人、合計13万人の観客を動員