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バーチャルウオーターから見る日本の水自給率は?

日本の食料自給率はわずか39%、そして大量の食料を輸入することで、
実は大量の水も海外に頼っていることをご存知でしたか?
バーチャルウオーターから見た日本の水自給率とGEが取り組んでいる水処理ソリューションをご覧ください 。

3月22日は、国連が定める世界の水の日(World Water Day)。そこでちょっと、日本の「水」について考えてみたいと思います。

海に囲まれる日本。国土の大半を森林が占め、数々の美しい河川が流れていて水はたっぷり・・・そんなイメージがある日本ですが、じつは大量の水を輸入しているってご存知でしたか?

まずは食自給率の話から。

食料自給率が低いのは、皆さんもご存じのとおり。農林水産省によればカロリーベースでの日本の食料自給率はわずか39%、つまり61%の食料を輸入に頼っています。しかも、国内の農業就業人口がこの20年で約45%も減少しているだけでなく、農業就業者の平均年齢は66.2歳(平成25年)に。国として様々な策を講じてはいるものの、食料の多くを輸入に頼らざるを得ない状況はまだ長く続くことが想像できます。

各国の食料自給率

各国の食料自給率(カロリーベース)
出典:諸外国・地域の食料自給率の推移(1951-2012) 農林水産省

食料輸入は、同時に灌漑用水も輸入しているということ

焼肉、ステーキ、とんかつ・・・皆さんの食卓に輸入肉が並ぶことも、少なくないかもしれません。ある日の夕食の、200グラムのビーフステーキを思い出してみてください。肉牛一頭が育つまでにどれだけの飼料を食べるのかを考えると、その飼料栽培に必要な灌漑用水のことが頭に浮かびます。1食分、200グラムのビーフステーキを食すためには3,200リットルもの灌漑用水が必要なのです。

200グラムのビーフステーキに必要な水の量

200グラムのビーフステーキに必要な水の量
出典:Water Footprint Product Gallery (Water Footprint Network)

こうしてみると、食料の輸入は「形を変えた水の輸入」とも考えることができますね。そして食料のみならずTシャツなどの衣料や工業製品でも同様に水の仮想貿易が行われています。「バーチャルウォーター」と呼ばれるこの概念はロンドン大学の名誉教授、アンソニー・アラン氏が紹介したもので、各国の貿易を考えるうえで重要な視点を与えています。

食品別のバーチャルウォーター

食品別のバーチャルウォーター
出典:Water Footprint Product Gallery (Water Footprint Network)

降雨不足や干ばつ被害も深刻ではなく、島国ゆえに水紛争とも無縁で過ごしてきた日本。しかし、安穏とはしていられません。

世界の総人口は新興国の経済発展とともに急激な増加を続けています。現時点では約70億人とされる世界の総人口は、2050年には90億人を超えるという推計もあり、「水の奪い合い」が生じれば、見えない「水」ももっと高価なものになるでしょう。こうした水の価値を考えると、食料自給率を高めるのはもちろんのこと、工業用水の再利用などによって水消費量を削減していく努力も必要です。

GEはこうした問題を見据え、水の再利用や効率利用を可能にする水処理ソリューションを世界中でご提供しています。海水を淡水に変えたり、石油精製や重工業で生じる工業排水を上水に変えるソリューションを通じて、世界の水消費を最小限に抑えるお手伝いをしています。世界のお客さまのなかには「水は21世紀の石油」と語る方も少なくありません。日本に住むわたしたちも、こうした緊迫度をもって「水」について考え始めるべき時を迎えています。

※最上部の画像:各国の水自給率(出典:2007年度生研公開地球水環境と社会(東京大学生産技術研究所 沖・鼎研究室)